マッツァルの自然
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/24 04:26 UTC 版)
「マッツァル国立公園」の記事における「マッツァルの自然」の解説
マッツァル国立公園は、カサリ川と周囲のデルタ地帯に加えて、マッツァル湾を取り囲む486.6km2の陸地と水域の範囲に及ぶ。それらには氾濫原、沿岸の草原、ヨシ湿原、森林地帯、そして40以上の島々がある、湾に面したVäinameri海の一部からなる。 マッツァル湾は浅くて、塩分は薄く、栄養分に富んでいる。湾の奥行きは18kmであり、幅は6kmである。平均水深はわずか1.5mしかなく、最大水深でも3mに過ぎない。 カサリ川はマッツァル湾に流れ込むいくつかの川の中で、最大のものである。カサリ川のデルタ地帯は1930年から1960年に行われた浚渫により、天然の状態から改変されている。主要な流路を囲んでいるヨシとイグサからなる湿原は、毎年西へ100m拡大している。 川は3,500km2以上の流域から、栄養分に富んだ沈殿物を湾内に運び込む。沈殿物は川の河口に堆積し、それはヨシ湿原の拡大の要因となっている。マッツァルでは合計275種の鳥類が記録された。それらのうち175種はこの地で巣を作り、33種は移動途中の水鳥である。49種の魚類と47種の哺乳類、それに加えて772種の維管束植物が記録されている 。 毎年春に200万羽以上の水鳥(10,000-20,000羽のコハクチョウ、10,000羽のスズガモ、ホオジロガモ、キンクロハジロ、カワアイサ、その他多数の種)がマッツァルを通過する。最大で20,000羽に達するカオジロガンの群れ、20,000羽以上のハイイロガン、そして数千羽の渉禽類は沿岸の牧草地で羽を休める。もっとも多数(約160万羽)を占める渡り鳥はコオリガモである。おおよそ35,000-40,000羽のカモ類はヨシ湿原で春のひとときを過ごす。 秋になると、約30万羽の水鳥がマッツァルを通過していく。マッツァルの湿地は、クロヅルのヨーロッパ最大の飛来地として知られている。クロヅルのいままで記録された中で最大の数は23,000羽であった。
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