マチュームーンシャイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 08:40 UTC 版)
「モンストラス・ムーンシャイン」の記事における「マチュームーンシャイン」の解説
2010年、江口徹、大栗博司、立川祐二は、K3曲面上の楕円種数が N=(4,4) 超共形代数(英語版)の指標へ分解することができ、有質量状態(英語版)の多重度がマチュー群 M24(英語版)(Mathieu group M24)の既約表現の単純な結合のように見えることを発見した。このことは、M24 対称性を持つ対象空間としてK3曲面を持つシグマモデルの共形場理論が存在することを示唆している。しかし、向井・近藤分類によると、シンプレクティック自己同型(英語版)[要リンク修正]による任意のK3曲面の上のこの群には忠実表現[要リンク修正]がなく、ガバルディエール(Gaberdiel)、ホーエンネッガー(Hohenegger)、ボロパト(Volpato)によると、任意のK3シグマモデルの共形場理論には忠実表現が存在しないという議論があり、基礎となるヒルベルト空間上に作用が現れないことがいまだにミステリーになっている。 マッカイ・トンプソン級数の類似で、チェン(M. Cheng)は、多重乗法函数(英語版)(multiplicity function)も M24 の非自明元の次数付きトレースも両方とも、モックモジュラー形式(英語版)(Mock modular form)を形成することを示唆している。2012年、ガノン(Gannon)は、多重度の最初のものだけは M24の表現の非負な整数係数の線形結合であることを証明し、ガバルディエール(Gaberdiel)、パーソン(Persson)、ローネレンフィッチ(Ronellenfitsch)、ボロパト(Volpato)は、一般化されたムーンシャイン函数のすべての類似物を計算し、強くマチュー・ムーンシャインの背後に正則共形場理論の類似物が存在することを強く示唆した。2012年には、チェン(Cheng), ダンカン(Duncan), とハーヴィー(英語版)(Harvey)は、アンブラル・ムーシャイン(umbral moonshine)現象の数値的な証拠を積み上げ、そこではモックモジュラ形式がナイエメイヤー格子(Niemeier lattice)に付随して現れることを示した。A124 の特別な場合はマチュー・ムーンシャインであるが、一般的には、未だこの現象は幾何学的な解釈は持っていない。
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