マセラティ・カムシンとは? わかりやすく解説

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マセラティ・カムシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 06:17 UTC 版)

マセラティ・カムシン
概要
販売期間 1973年 - 1982年
デザイナー ベルトーネ
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア・クーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 90°4.9L V8 DOHC 320英馬力
変速機 ZF製5速MT
ボルグ・ワーナー製3速AT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング+アンチロールバー
車両寸法
ホイールベース 2,550mm
全長 4,400mm
全幅 1,804mm
全高 1,140mm
車両重量 1,530kg
系譜
先代 マセラティ・ギブリ
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カムシンKhamsin )はイタリアマセラティで開発、1973年から1982年まで生産された高級スポーツカーマセラティ・ギブリの後継モデルにあたる。

車名の由来はエジプト砂漠地帯において季節的に吹き荒れる熱く激しい風、砂嵐ハムシン」。

概要

1972年トリノモーターショーベルトーネのブースにてボディデザイン初披露、翌年の1973年パリモーターショーにてマセラティのマークを冠された『Khamsin』としてプロトタイプが発表された。本格生産は1974年から始まる。開発コードはティーポ120(Tipo120 )。

デザインはベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニが担当。当時のガンディーニらしく全体的にカッチリとまとめられ、鋭角的に張り出したサイドのエッジが、フロントノーズ先端から緩やかに曲線を描きながらテール後端まで真っ直ぐ伸びるウェストラインが特徴で、全体的にシャープな印象を与えている。ボンネット上は左右非対称のルーバーが真横に切られていることで幾何学的なサーフェイスを見せる。特筆すべきはテール面にガラスパネルが嵌め込まれており、テールランプ、マセラティマークを残して透明になっているため、非常に後方視界が良い。これは駐車などで後進する際には極めて有効で、このようなデザイン上の工夫がなされているのも大きな特徴となっている。

尚、USモデルにはTバールーフ仕様もある。インテリアは総革張りで、先代ギブリと同じくラグジュアリー志向の強い内装となっている。シートは2+2で、極めて小さな後席が設けられている。

シャシーは鋼管サブフレーム+金属パネル。エンジンはギブリSSと同じ4,930cc DOHC 90°V8エンジンで、エンジンをフロントに積むFRレイアウト。最高出力 320英馬力/5,500rpm、最大トルク 49kgm/4,000rpmを生み、最高速度 275km/h、0-60mph加速(60mph = 96.6km/h)7.3秒を誇った。

当時親会社にあったシトロエンの高圧油圧システムを使用し、ブレーキクラッチリトラクタブルヘッドライトパワーステアリングシート・ヘッドレストリクライニングを動作させた。(この油圧システムは当時としては非常に高度な機能を持つ油圧回路ではあったが、反面極めて高い油圧を維持するためにエンジンのパワーロスは避けられず、また高い油圧が原因でオイル漏れが頻発。結局この油圧システムを採用した車は当時の水準から見てもかなり信頼性の低いものであった。

1976年1977年、フロントノーズ部分にルーバーが追加される等、内装、ボディ共に多少のマイナーチェンジを受ける。

1982年生産終了。優れたデザイン、良好なエンジンを持ちながら、第一次オイルショックの煽りを受け、また前述の信頼性の低さもあって総生産台数430台に留まった。

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