ポロック判決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/10 15:11 UTC 版)
「アメリカ合衆国憲法修正第16条」の記事における「ポロック判決」の解説
「ポロック対農夫貸付信託会社事件」判決で、最高裁は1894年法の下に資産由来の所得に対する税というある種所得税は憲法に違背して分配されない直接税であると裁定した。判決は、「資産由来の所得」にたいする税金は「所有しているという理由で資産」に課される税金として取り扱われるべきであり、それゆえに分配を要求すべきであると理由付けた。この理由付けは、土地から上がる賃料や株式から上がる配当などは、「所有しているという理由で資産」に掛かる税金がその資産に負うのと同じ方法で、収入を生む資産に負っているということだった。 このことは、ポロック以後、(直接税として)賃金に掛かる所得税が人口に比例して分配を要求されない一方で、利子、配当および賃料収入に対する税金は人口に比例して分配されなければならないことを意味していた。ポロック判決によって、「収入源」(例えば資産対労働者など)が、その収入に課される税金は「直接税」であるか(従って人口に比例して分配されなければならない)、あるいは「間接税」であるか(合衆国全土で均一に課されるだけ)を決定することに関わってくるようになった。 1895年から修正第16条が批准された1913年までの間、議会は労働者の収入など資産によらない収入に人口比例で分配することなく再課税できたが、利子、配当および賃料収入に課税することは実際的ではなかった(利子、配当および賃料からの収入総額は合衆国の納税者個々でかつ各年での総額とは事実上必ずしも正確に同じにはならなかった)。議会は資産由来の収入に課税すること無くして労働者の収入など資産によらない収入に課税することを望まず、資産由来の収入に掛かる税金はもはや現実のものではなかった。ポロック判決によって所得税の強制は1895年から修正第16条の批准まで、政治的に実現不可能だった。同時に議会は最も富裕なアメリカ人があまりにも多くの経済力を集めていくという多くの社会的要素の中で募る不安を思案していくことになった。 ハーラン判事はポロック判決に対する反対意見を次のように述べた。 それ故に、この法廷が現在宣告しているように、連邦議会は個人の資産、あるいは不動産の賃貸から、または投資した個人資産、債権、株式およびあらゆる種類の投資のような個人資産から上がる収入について、州の人口に応じて徴収された総額を配分する場合を除き、関税あるいは税を課することができないと宣告するとき、両院の3分の2と州の4分の3が同意するという憲法の修正無くして、そのような資産や収入は連邦政府の支援に貢献できるようにはならないと事実上決めている。 —
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