ポストモダニストの音楽的態度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 17:56 UTC 版)
「ポストモダン音楽」の記事における「ポストモダニストの音楽的態度」の解説
音楽におけるポストモダニズムとは、明確な音楽スタイルではなく、ポストモダン時代の音楽を指す。一方、ポストモダニズムの音楽は、モダニズムの後に生まれ、モダニズムに反発する芸術であるポストモダニズムの芸術と特徴を共有している。 音楽分析の講師であるレベッカ・デイは、「音楽評論の世界では、ポストモダニズムは、かつての美学的な言説を支配していたと考えられている、耽美主義/形式主義、主観/客観、統一/不統一、部分/全体などの二項対立のヘゲモニーから意識的に離れようとしていると考えられています」と書いている。 ポストモダニズムと文化に関する考え方の中心人物であるフレデリック・ジェイムソンは、ポストモダニズムを「後期資本主義の論理の文化的支配者」と呼び、グローバル化によってポストモダンの文化が資本主義と密接に結びついていることを意味している(その20年後に書かれたマーク・フィッシャーはさらに進んで、実質的に唯一の文化的可能性と呼んでいる)。 デイビッド・ビアードとケネス・グローグは、ジェイムソンや他の理論家の意見を参考にしながら、音楽においてポストモダニズムは単なる態度ではなく、現在の文化的な断片化の状況においては必然的なものであると主張している。テオドール・アドルノは、1938年にはすでに「文化的に支配的な価値観」の崩壊の傾向を指摘し、音楽におけるジャンルや価値観の区別の終わりの始まりとして、あらゆるジャンルの商品化を挙げていた。 ポストモダニズム運動は、その名の通り、モダニズムの理想に反発して形成された部分があるが、実際にはポストモダン音楽は、特定の反応や運動、態度というよりも、機能性やグローバリゼーションの影響に関係している。ジェイムソンは、資本主義に直面して、「ポストモダンという概念は、そもそも歴史的に考えることを忘れてしまった時代に、現在を歴史的に考えようとする試みとして把握するのが最も安全である」と述べている。
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