ボランティア活動に対する考え方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 17:09 UTC 版)
「尾畠春夫」の記事における「ボランティア活動に対する考え方」の解説
東日本大震災のボランティア時に、それまでは浴びるほど飲んでいた酒をきっぱりやめる。その理由は、「避難所のベイサイドアリーナには1,800人もの避難者がおり、身動きもできないほどの大変な混雑ぶりであるにもかかわらず、誰も文句を言う者がない。同じ日本人でありながらこんな思いをしている人がいるんだ、と思った。酒なんか喰らっている場合ではない」と思ったため。その後、2018年8月まで一滴も飲んでいないが、断酒したわけではなく、中断しているだけだという。東北3県の仮設住宅がすべて取り除かれた時、解禁すると述べている。 軽ワゴン車に食料や水、寝袋などの生活用具を積み込み、助ける相手側からは力を借りないことが信条。「自己完結するのが真のボランティアだ」という ボランティア中の主食はパックご飯とインスタントラーメン。パックご飯は温めるとガス代がかかるのでそのまま食べる。寝泊まりするのは軽ワゴン車の後部座席で、被災地のどんな環境でも寝られるようにするため、普段からゴザの上で寝る習慣がある。ボランティアに使用する軽自動車は2018年8月現在で13年間使っており、走行距離は約20万km。故障したことは一度もない。ボランティア活動中は風呂もシャワーも浴びず、帰宅後温泉に3-4時間入る。車内での寝泊まりは被災地の人に迷惑をかけないようという理由もあり、その行動を見てボランティア仲間から「謙虚な人」だと評されたこともある。 「ボランティア時には言動全てに気をつける必要がある。『暑い』とは絶対に言わない。自分が被災者であったならば、どう思うのか。ボランティアさせていただいているという立場を忘れてはいけない。赤い服を着用し背中に大きく名を書くのは、被災している人は身元が分かる方が安心するから。黙っていると怖いと思われるので、よく話すこと。全ては安心感をもってもらうためである」と語っている。 「対価、物品、飲食、これは絶対、頂かない。敷居をまたいで家の中に入ることもボランティアとして失格だと思っている。私はそれでいいと思うんですよ。人がどうしようと関係ない。尾畠春夫は自分なりのやり方がある。」 「表彰を受けたからといって、必要以上に頑張ろうとは思わない。今まで通り、ボランティアを続けていくだけ」(2018年9月3日、日出町から功労者として表彰された際のコメント) 「いつかは沖縄で遺骨収集したい。ガマと呼ばれる沖縄の自然の洞窟には相当な数の兵隊の骨が残っているが、その捜索がしたい。2018年に実行する予定で、道具の準備もしていたが、災害が続発して断念した。2019年春には実行したい」。
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