ホテル側の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 23:29 UTC 版)
宿泊客らの証言は「初期の段階ではブザーの音は聞こえなかった」「(避難誘導は)煙が出てから一時間ほどしてからだった」というものだった。 怪我をした69歳の女性は「周囲で騒がしい足音がするので変だと思って戸を開けたら廊下は煙でいっぱい。大声で『火事だ』と叫んでみんなを起こした。非常ベルも鳴らなかったし、誘導も全くなかった。ベランダにあったロープでかろうじて逃げた」「こんな大きなホテルでまさか火事があるとは思わなかった。火事に気づいたときホテルの中では、何の放送もなく、誘導してくれる人もいませんでした」と話した。 また、77歳の男性は「非常ベルを押したが鳴らず、部屋の電話も応答がなかった。ホテルに来る時、タクシー運転手に『あのホテルはがめつくて従業員が酷に使われている』と聞いた。従業員の態度もサービス精神がなく、防災に関する説明も全くなかった」と不満を漏らした。 一方でホテル側の説明では、近くの社員寮などから従業員が駆け付けて客の避難誘導に当り、熱と煙を感知する非常ベルも作動したとしており、齟齬が生じている。火事の報を聞いて東京から駆け付けたホテル側の代表者は、「ホテルそばの従業員寮から八十人全員を集め、客の避難誘導に当たった。非常ベルも鳴った。ホテル側の責任は果たしたと思っている」「フロントに二人の従業員がいて、自動火災報知機の受信機パネルが出火場所を表示し、ベルが鳴ったので急いで残りの従業員を起こして三階の客から誘導した。一部の人が慌ててベランダから逃げ出したため誘導を受けられなかったかもしれない」と述べた。記者の「避難誘導はどのようにしたか」という質問にホテル側が「分からない。訓練通りできるわけがないでしょう」と「そっけない返事」をしたという報道もある。 また、避難用のロープは長さが足りておらず、3階からのものは地上の2メートル近く上までしかなかったため、客が怪我をした原因の一つとみられた。また、避難ばしごも部屋にあったものの、老人には使いこなすことは難しく、説明もなされていなかった。 24日午前10時から現場検証が行われ、従業員からの事情聴取が行われたが、火災箇所は特定できず、原因もはっきりしなかった。
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