ペンタックスとの経営統合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 18:51 UTC 版)
「HOYA」の記事における「ペンタックスとの経営統合」の解説
カメラ大手ペンタックスと2007年(平成19年)10月をめどに新会社「HOYAペンタックスホールディングス」を設立し、医療向け事業の拡大やカメラ・レンズの一貫生産体制をはじめとした各事業の統合・効率化を図る方針であった。しかし、鈴木洋のカメラ事業転売を示唆する発言にペンタックスの創業家である松本家が激怒したことを背景に、2007年(平成19年)4月にペンタックス側の経営陣が合併反対に動き、計画は白紙撤回となった。 これを受けて、HOYAは友好的買収による子会社化を発表。当初ペンタックス側はこれを拒否し、単独での経営を目指した中期経営計画を発表したが、阿部修平率いるスパークス投資顧問やフィデリティなどの大株主と資本市場に評価されず、結局2007年5月22日に株式公開買付け(TOB)による買収の受諾を通知した。これによりHOYAは同年7月3日からTOBを開始した。8月6日までに90.59パーセントの株式を取得し、8月14日にペンタックスを連結子会社としたが、経営陣の鈴木洋らは身内であるはずのHOYA創業家の一員である山中裕からも、買収価格の不適切さや手続きについて『日経ビジネス』2007年5月28日号上で強い批判を受けた。 2007年10月29日、HOYA・ペンタックス両社は当初の計画通り合併による事業の統合・効率化がベストであると判断し、2008年(平成20年)3月31日を効力発生日とする合併契約を締結した。2008年(平成20年)3月31日、HOYAを存続会社として吸収合併されペンタックスは解散した。合併後の社名は「HOYA株式会社」だが、「PENTAX」ブランドは維持される。また一部でHOYAと旧ペンタックスとで重複する製造部門・部署があるが、経営統合後も事業統合は行われなかった。合併前のHOYAは三和グループに属していたが、第一勧銀グループに属していたペンタックスとの合併によりHOYAは三和色と第一勧銀色を併せ持つ企業となった。 ペンタックスより引き継いだ測量機器事業(現・TIアサヒ株式会社)は2009年11月30日付で台湾儀器行に、デジタルカメラ・交換レンズなどのイメージングシステム事業(現・リコーイメージング株式会社)は2011年10月1日付けでリコーに譲渡された。
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