フランスの勲章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 19:23 UTC 版)
レジオンドヌール勲章は制定の際に、中世の騎士団(ordre オルドル)を基にしたグランクロワ (Grand-Croix)、グラントフィシエ (Grand Officier)、オフィシエ (Officier)、コマンドゥール (Commandeur) 及びシュヴァリエ (Chevalier) の5等級が定められた。多くの国がその後勲章を制定する際これに倣ったため、現在でもヨーロッパの勲章には5等級のものが多い。フランス人に授与する場合、等級は年功序列によるが、外国人に授与する場合は単に功績に応じて決定される。 レジオンドヌール勲章 L'ordre national de la Légion d'honneur 1802年にナポレオン・ボナパルトにより制定され、今日もなおフランスの権威ある国家勲章となっている。世界的にも非常に有名で価値あるものとされる。最高位のグラン・クロワは、日本人では山本権兵衛らが受章している。 国家功労勲章 L'ordre national du Mérite レジオンドヌール同様、大統領の決定によりフランス政府から叙せられる勲章。等級もレジオンドヌールと同じ5等級である。シャルル・ド・ゴールがそれまで多数あった省レベルの勲章を統廃合して1963年に新設した。 芸術文化勲章 L'ordre des Arts et des Lettres フランス文化省が運用する、芸術分野での功績に対して与えられる勲章。コマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級がある。授与数が少なく希少価値がある。 日本人では石井好子と北野武がコマンドゥール章、坂本龍一がオフィシエ章を受章している。 教育功労章 L'ordre des Palmes académiques 教育関係者に与えられる勲章。1808年にナポレオンが創設。コマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級がある。 農事功労章 L'ordre du Mérite agricole 農業水産大臣が、農業に貢献した人物に授与する勲章。1883年創設。現在は、上からコマンドゥール、オフィシエ、シュヴァリエの3等級が設定されている。フランスの農産物や食文化の普及に貢献した外国人に授与されることもある。年間に3階級合計で4000人ほどが受賞し、通常はシュヴァリエから昇級していく。 2006年に中川昭一農林水産大臣(当時)が日本人として初めて最高位のコマンドゥール章を受章した。ここ10年間で約70人程の日本人受章者がいるが、外国人は国内規定に関わらず授与できると定められており、儀礼的なものであることもある。日本人受章者によって フランス農事功労章受章者協会 (MOMAJ) が設立されている。 スポーツ・青少年功労章 Médaille d'honneur de la Jeunesse et des Sports スポーツや青少年教育に関する功績に対して与えられる金銀銅のメダル。Ordreではない。 国家最優秀職人章 Meilleur Ouvrier de France 3年に一度のコンクールで勝利した優れた職人に贈られる称号。料理人への授与で知られる。Ordreではない。 レジオンドヌール勲章グラン・クロワ章 国家功労勲章シュヴァリエ章 芸術文化勲章シュヴァリエ章 教育功労章オフィシエ章 農事功労章コマンドゥール章
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