フランシス・ウィリアム・アストンとは? わかりやすく解説

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アストン【Francis William Aston】


フランシス・アストン

(フランシス・ウィリアム・アストン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/18 15:19 UTC 版)

フランシス・アストン
Francis William Aston
生誕 (1877-09-01) 1877年9月1日
イギリス バーミンガム ハーボーン
死没 1945年11月20日(1945-11-20)(68歳没)
イギリス ケンブリッジ
国籍 イギリス
研究分野 化学物理学
研究機関 トリニティ・カレッジ
出身校 メイソン科学大学英語版(現 バーミンガム大学
ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ
指導教員 ジョセフ・ジョン・トムソン
主な業績 質量分析法
整数則英語版
主な受賞歴 ノーベル化学賞 (1922)
ヒューズ・メダル (1922)
ロイヤル・メダル (1938)
プロジェクト:人物伝
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ノーベル賞受賞者
受賞年:1922年
受賞部門:ノーベル化学賞
受賞理由:非放射性元素における同位体の発見と質量分析器の開発

フランシス・ウィリアム・アストン(Francis William Aston, 1877年9月1日 - 1945年11月20日)はイギリス化学者物理学者である。1922年に質量分析器の発明によりノーベル化学賞を受賞した。

生涯

バーミンガムハーボーンen:Harborne)に富裕な商人の息子に生まれた。1903年にバーミンガム大学ケンブリッジ大学で学び、3年間は醸造業を務めていたが真空放電に興味を持ち、グロー放電陰極付近の暗い部分(現在は「アストン暗部」と呼ばれる)を見つけた。1909年にキャヴェンディッシュ研究所に移り、1906年ノーベル物理学賞を受賞したイギリスの物理学者ジョセフ・ジョン・トムソンの助手になった。キャヴェンディッシュ研究所では陽極線分析について研究した。

陰極側の電極に陽イオンの通過できる穴を設けた陰極線管で、陰極付近が光る現象(カナル線)の実験で、カナル線が元素の陽イオンであることを確認した。カナル線に磁界を与えるとローレンツ力により偏向する度合いはイオンすなわち原子の質量によってかわるので、さらに写真乾板を組み合わせることによって、原子量の測定精度をそれまでの方法に比べて飛躍的に向上させることができた。さらにネオンの質量の測定の実験はネオンが2つの質量(原子量)をもつ同位体の混合物であることを示した。同位体の存在の証明は各元素の原子量の比率が水素原子の整数倍になるというイギリスの化学者であるウィリアム・プラウトen:William Prout)が提唱したプラウトの仮説塩素などで成立しなかった理由を説明することになった。余談だが、この当時には第一次世界大戦が起こり、研究が一時中断となってしまい、アストンは飛行場塗料の化学的研究に携わった。

酸素の質量の1/16を基準にした時、各元素の質量は、極めて整数に近い値を示した。1個の陽子だけからなる水素のみ0.8%程度の大きな値を示し、質量が原子核の結合エネルギーに変換されるという質量欠損の理論に結びついていくことになった。

1921年に王立協会フェローに選出され、同協会から1922年ヒューズ・メダル、1938年ロイヤル・メダルを受賞した。

受賞歴

参考文献

関連項目



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