フランク
ベルギーに生まれ主にフランスで活躍したが、国籍の問題で学校への入学を拒否された経験を持つ。また、当事の神童を騒ぎ立てもてはやす風潮に幼いフランクも巻き込まれ、このような複雑な文化的背景や両親からの干渉が、フランクの豊かな才能を開花させるのを遅らせたとも言われる。20歳を過ぎてようやく両親から自立し、36歳のときにサント・クロディルト教会のオルガニストに任命されたことが転機となって、以後自分の創作活動を充実させることができた。
宗教曲やオルガン曲では見事な対位法を用いて典礼用の作品を多く残し、器楽曲、室内楽曲でも、古典的形式とフランク特有の情緒的フレーズが融合され、とりわけ優れた成果を残している。一つの主題を変容させて複雑に組み込む手法はリストから大きな影響を受けており、単一楽章形式のピアノ作品の傑作を残した。パリ音楽院の教授にもなり、多くの弟子を持ち「フランク楽派」が形成される。フランクの指導法のみならず、ワーグナーなどの新しい音響への柔軟な理解、真摯に取入れようとする姿勢から、多くの弟子に慕われた。
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