バージョンと歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 06:10 UTC 版)
「Internet Protocol」の記事における「バージョンと歴史」の解説
1974年5月、Institute of Electrical and Electronic Engineers (IEEE) が "A Protocol for Packet Network Intercommunication" と題した論文を公表した。この論文で筆者ヴィントン・サーフとロバート・カーンは、ノード間のパケット交換を使ってリソースを共有するインターネットワーキング・プロトコルを記述した。このモデルの中心となる制御コンポーネントが "Transmission Control Program" (TCP) で、コネクション指向のリンクとデータグラムサービスの両方を含んでいた。モノリシックな Transmission Control Program は後にモジュール化され、コネクション指向層の Transmission Control Protocol とインターネットワーキング(データグラム)層の Internet Protocol に分けられた。このモデルが一般に TCP/IP と呼ばれ、正式にはインターネット・プロトコル・スイートと呼ばれている。 Internet Protocol はインターネットを定義する要素の1つである。インターネット層におけるインターネットワーキング・プロトコルで2012年現在主に使われているのはIPv4である。この4という番号はプロトコルのバージョン番号で、全てのIPデータグラムの先頭に書かれている。IPv4は RFC 791 (1981) で記述されている。 IPv4の後継がIPv6である。バージョン4からの最大の変更点はアドレッシング体系である。IPv4は32ビットのアドレス(約40億、4.3×109)を使っていたが、IPv6では128ビットのアドレス(約 3.4×1038)を使っている。IPv6の採用はゆっくりとしていたが、2008年6月、アメリカ合衆国連邦政府がバックボーンレベルのみではあるが全システムでIPv6をサポートしてみせた。 IPのバージョン0から3まではIPv4の開発途中のバージョンで、1977年から1979年までに使われた。バージョン5は実験的なストリーミング用プロトコル Internet Stream Protocol(英語版) で使われた。バージョン6から9までは、IPv4の後継として提案された各種プロトコルである。このうちバージョン6とされた SIPP (Simple Internet Protocol Plus) が IPv6 として採用されることになった。7から9は IP/IX (RFC 1475)、PIP (RFC 1621)、TUBA (TCP and UDP with Bigger Addresses, RFC 1347) である。 他にも IPv9 や IPv8 を名乗ったプロトコルが提案されたことがあるが、全く支持されていない。 1994年4月1日、IETFはエイプリルフールのジョークとしてIPv9を発表したことがある。
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