バルサム
バルサム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/03 10:27 UTC 版)
バルサム (英語: balsam [ˈbɔːlsəm] ボールサム) は、樹木が分泌する、樹脂が揮発性油脂に溶解した、粘度の高い液体。強い香りがある。
バルム (balm [bɔːm, bɔːlm])、オレオレジン (oleoresin)、含油樹脂。
バルサムを分泌する樹木をバルサム樹と呼ぶ。バルサム樹は特定の種や分類群ではない。松脂もバルサムの一種である[1]。
聖書に登場するスパイスや香木、傷の痛みを取り癒す芳香性樹脂などを指す用語で、ギレアドに自生していたアラビアバルサムノキの木のバルサム(バルム・オブ・ギレアド)が語源となる[2][3]。
エンバーミングにも用いられる。
主な種類
それぞれの種類は、産地や樹の名をつけて区別される。
バルサム | 英語 | バルサム樹 | 学名 | 主な用途・備考 |
---|---|---|---|---|
カナダバルサム | Canada balsam | バルサムモミ | Abies balsamea | 接着剤 |
カナダツガ | Tsuga canadensis | |||
ギレアドバルサム | balm of Gilead | バルサムポプラ | Populus balsamifera | |
Populus × jackii | ||||
メッカバルサム | balsam of Mecca | ギリアデモツヤク | Commiphora gileadensis | |
ペルーバルサム | Peru balsam | Myroxylon pereirae | 傷の治療(Balsam oil)、咳止め、香水、化粧品、調味料などに使われるが、アレルギーが出る場合がある[4]。 | |
トルーバルサム | Tolu balsam | Myroxylon toluiferum | 去痰剤 | |
コパイーババルサム | copaiba balsam | コパイーバ | Copaifera langsdorffii |
出典
- ^ 『広辞苑』「バルサム」
- ^ “balsam の意味、語源、由来・英語語源辞典・etymonline”. www.etymonline.com. 2023年7月3日閲覧。
- ^ “Balsam”. www.encyclopedia.com. 2023年7月3日閲覧。
- ^ “Balsam of Peru contact allergy”. dermnetnz.org. 2023年7月3日閲覧。
「バルサム」の例文・使い方・用例・文例
- (死体を)バルサムと薬品、および他の化学物質で保存すること
- バルサム樹脂のにおいがするさま
- バルサムを含む、それに関するまたはそれの
- 油とバルサムの混合物から成る神聖な軟膏
- 唇に塗るバルサム
- バルサムを産出するどんな種子植物のいずれか
- 非常に短い葉以外はバルサムモミに類似した南アレガニー山脈の小さな成長が早いが短命なモミ
- 基部のロゼットにうぶ毛の生えた葉と黄色い花と長いバルサムのにおいのつけられた主根をもつバルサモリア属の植物
- バルサムの香りがする草本の小さい属
- 披針形の葉の茂みと、長い柄の上の大きな濃い黄色の花で終わる、丈夫な葉の多い茎を持つ、バルサムのような樹脂の草本
- バニラビーンズといくつかのバルサム樹脂で見つけられた水晶のような合成物
- トルーバルサムと高級家具と指物のために使われる香りのよい堅い木材を産するアメリカの熱帯地方の中型の高木
- 香りのよいバルサムを産する南アメリカと中央アメリカの高木
- 咳止めシロップで特に使われるトルーバルサム・バルサムの木からの芳香族の黄褐色のバルサム
- 特に傷の手当とある種の皮膚病の治療に使われるペルーバルサムの木から採る濃い褐色のシロップ用のバルサム
- バルサム製品の原料となる東インドとアフリカの属
- 北米東部の低木のような小高木で、葉をつぶすとバルサムの臭いを発する
- 一般的なヨーロッパのオオバショリマで、香りの良いレモンかバルサムの匂いがする葉を持つ
- バルサムノキからの黄色の透明な滲出物
- カナダバルサムという,バルサムノキから採る上質の樹脂
バルサムと同じ種類の言葉
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