ハーディ・リトルウッドのF予想とは? わかりやすく解説

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ハーディ・リトルウッドのF予想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 10:16 UTC 版)

ウラムの螺旋」の記事における「ハーディ・リトルウッドのF予想」の解説

ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディジョン・エデンサー・リトルウッド1923年ゴールドバッハの予想に関する論文の中でいくつかの予想述べているが(ハーディ・リトルウッド予想総称される)、その中にはもし真であればウラムの螺旋の特に目立つ特徴について説明与え可能性があるものが含まれている。ハーディリトルウッドが“F予想”と呼ぶこの予想は、ベイトマン・ホーン予想英語版)の特殊な場合であり、ax2 + bx + cの形をした素数の個数漸近式について主張するのであるウラムの螺旋中央部から生じる、水平線垂線対し45°角度をなす半直線上に乗る数字は4x2 + bx + cで表すことができ、ここにbは偶数である。もしくは垂直な半直線の上乗る数字先述の公式でbが奇数場合である。F予想は、こうした半直線上に乗る素数密度見積もる式を与える。これは半直線によって密度が相当ばらつくことを示唆している。とりわけ密度判別式b2 − 16cにかなり左右される。 F予想はax2 + bx + cのa、b、cがすべて整数であり、aが正の整数場合考えるものである。もし係数が1より大きい公約数持っているか、もしくは判別式Δ = b2 − 4acが平方数であるならば、この多項式因数分解できるのでxが0, 1, 2, ...の値をとれば合成数与える(ただし、xの取り方によっては片方素因数が1である可能性はある。そのようなxは高々2個存在する)。さらに、a + bとcが両方とも偶数であれば多項式はすべて偶数となり、したがって合成数である(素数2である可能性はある)。ハーディリトルウッドはこうした場合除外すれば、ax2 + bx + c(x=0, 1, 2, ...)からは無限の素数生成される予想した。これはより古いブニャコフスキー予想特殊な場合であり、現在まで証明されていないハーディリトルウッドはさらに進んで、ax2 + bx + cから生成される、n以下の素数の個数P(n)次の公式で近似できる予想した。 P ( n )A 1 a n log ⁡ n {\displaystyle P(n)\sim A{\frac {1}{\sqrt {a}}}{\frac {\sqrt {n}}{\log n}}} ただし、ここでAはa、b、cに依存するが、nからは独立な値である。素数定理によれば、公式のAを1とすれば、n以下の整数のうち素数占め密度と、ax2 + bx + cにより生成されるn以下の素数密度漸近的に等しということになる。しかしAの値は1以上1以下取りうるので、この予想によればいくつかの多項式はより多く素数生成し、他はより少ない。非常に多く素数生成する多項式として4x2 − 2x + 41があり、これはウラムの螺旋において視覚的に目立つ半直線形成する(図を参照されたい)。この多項式の場合定数Aは約6.6であり、予想によればこの多項式から生成されるn以下の整数集合と、同じ個数だけランダムにn以下の整数集めた集合比較した場合前者のほうが約7倍も素数含んでいることを示している。この多項式レオンハルト・オイラー素数生成多項式x2 − x + 41密接な関係があり、オイラーの式のxを2x置き換えるか、xを偶数限定することで得られる。 ハーディ・リトルウッドの予想では式中のAは以下の式で与えられる。 A = ε ∏ p ( p p − 1 ) ∏ ϖ ( 1 − 1 ϖ − 1 ( Δ ϖ ) ) {\displaystyle A=\varepsilon \prod _{p}\left({\frac {p}{p-1}}\right)\prod _{\varpi }\left(1-{\frac {1}{\varpi -1}}\left({\frac {\Delta }{\varpi }}\right)\right)} ただし、pはaとbの両方割り切るような素数であり、 ϖ {\displaystyle \varpi } はaを割りきらないような奇素数である。εは、a + bが奇数であれば1、a + b が偶数であれば2である。 ( Δ ϖ ) {\displaystyle \left({\frac {\Delta }{\varpi }}\right)} はルジャンドル記号である。現在までに知られている最大のAは約11.3で、ヤコブソンウィリアムズによって発見された。

※この「ハーディ・リトルウッドのF予想」の解説は、「ウラムの螺旋」の解説の一部です。
「ハーディ・リトルウッドのF予想」を含む「ウラムの螺旋」の記事については、「ウラムの螺旋」の概要を参照ください。

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