ハイタンク式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 21:27 UTC 版)
天井に近い位置にタンクを置き、水を貯めて、鎖紐を引き下げ操作して、サイホン作用を起こすことで排水が起動し、給水管を経て床面の便器へ給水する方式。8時だョ!全員集合のコントシーンを連想させることから、俗にドリフ式とも呼ばれる[要出典]。かつては落差が大きい方が洗浄力で有利とされていたことから、戦前期から昭和50年代中ごろまで圧倒的多数を占めていた。しかし、メンテナンス性の悪さ、設置時の制限、イニシャルコストが高い、現代の一般的なロータンク式と比べると節水性が劣ることが多い、などの欠点があったため、以降は急速にロータンク式へと置き換えられた。現在は既存の旧い建物でわずかに見られる。また、水道圧が確保できない際に、押しボタンで遠隔操作するバルブを使用して見かけだけ直圧式にした隠しハイタンクが若干だが存在する。陶器の他に、日本での水洗便所普及初期や、戦時中などに木製のタンクが製造されていた。木製のタンクは内壁に銅板が張り詰められ防水されていた。 なお、INAX(のちのLIXIL)では、2010年までにハイタンク(本体、部品とも)の製造および発売を終了しており、TOTOも2012年3月をもって、ハイタンク(本体、部品とも)の製造および発売を終了した。アサヒ衛陶、ジャニス工業もそれに前後して製造を終了している。 日本の法人では、折原製作所とカクダイの2社だけが現在も生産・発売を継続している。同社は“トイレざます ここでもう一度ハイタンクという選択肢”というコピーで新規設置向けハイタンクトイレセットを販売している。 どうしても給水機構による占有面積が生じるワンピース式トイレに比べて、垂直方向を利用して給水機構をオフセットできることから、水平面では他の方式より占有面積が少なくて住むこと、便器周囲に余計な付属物が生じないため手すりなどの補助具が取り付けやすいことなど、再評価すべき点もあげられる。
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