小便器の洗浄装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 22:47 UTC 版)
小便器の洗浄は主にフラッシュバルブを接続して給水するが、手動式の場合は押しボタンを押して起動させ、自動式の場合は人感センサが便器付近の壁や便器本体に内蔵されている。 古い公共のトイレではハイタンク式による連立一斉洗浄方式があり、設定されたタイマーにより、電磁バルブでサイホン作用を起こしハイタンク内に貯水された水を、排水して複数の小便器を洗浄する。この方式は利用者が全く居ない時でも洗浄水が流れたり、逆に利用者が集中している時でもタイマーの設定時間が来るまで洗浄水が流れないので悪臭の原因になるなどのデメリットが多い。 またハイタンク式による連立一斉洗浄方式でも自動サイホン式があり、絶えずタンクに少量の水が給水され、タンクの水が満水に達する頃に自動でサイホン作用が働いて排水して連立した複数の小便器に給水する。利用者が居ない時でも、この動作が繰り返されるので、大量に無駄な水を消費してしまう他、タイマー式同様、利用者が集中している時でもタンクの水が満水に達しないと洗浄水が流れないので悪臭の原因になるなどのデメリットが多い。 これを改良したのが人感センサ式自動サイホンでトイレの入口付近に設置された人感センサにより検知した利用者をカウントし、設定された利用者まで検知するとハイタンクに給水が始まり、タンクの水が満水に達する頃にサイホン作用が働いて自動で排水して小便器に給水する。 これらのハイタンク式による連立一斉洗浄方式は、人感センサ式フラッシュバルブが普及するまでは公共のトイレで多く採用されていたが、最近ではトイレの改修などにより徐々に採用が減ってきている。 その他、小便器の洗浄には蛇口と同様の水栓を回して開閉させ水を流す方式も存在するが、この方式も寒冷地など一部を除き採用が減っている。 小便器の衛生面から跳ね返り、尿石の付着を防ぐためにトイレボールと呼ばれる洗浄薬剤を排水口付近に置いたり、衛生面や快適性を重視する施設のトイレでは、水洗式小便器上部の給水管に連結した薬剤供給装置により尿石付着防止薬剤が含まれる消毒薬剤を便器に供給する場合が多い。 ちなみに、一般的な住宅の便所においてフラッシュバルブは、完全な水洗式の大便器の場合は採用例が少ないが、男性用の小便器(簡易水洗便器を含む)の場合は、簡易水洗式の大便器と同様に、一般的な住宅の便所であっても採用される例もある。
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