ニトロエタンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ニトロエタンの意味・解説 

ニトロエタン【nitroethane】


ニトロエタン

分子式C2H5NO2
その他の名称Nitroethane、2-Nitroethane、1-Nitroethane
体系名:1-ニトロエタン、ニトロエタン、2-ニトロエタン


ニトロエタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/10/30 17:18 UTC 版)

ニトロエタン
Nitroethane
識別情報
CAS登録番号 79-24-3
RTECS番号 KI5600000
SMILES
特性
化学式 C2H5NO2
モル質量 75.07 g/mol
外観 無色の油状液体
匂い 果実様の臭気
密度 1.054 g/cm3, 液体
融点

-90 ℃, 183 K, -130 °F

沸点

112.0–116.0 ℃ (385.2–389.2 K)

への溶解度 微溶
(4.6 g/100 ml,20°C)
溶解度 メタノールエタノールエーテルに易溶、クロロホルムに可溶。
粘度 0.677パスカル秒 (20℃)
危険性
MSDS MSDS at fishersci.com
主な危険性 可燃性、有害性
Rフレーズ R5 R10 R22
Sフレーズ S41
引火点 28 °C
発火点 410 ℃
関連する物質
関連するニトロ化合物 ニトロメタン
関連物質 硝酸エチル
亜硝酸エチル
特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。

ニトロエタン: Nitroethane)は、化学式C2H5NO2で表される有機化合物。常温・常圧では油状の液体。純粋なものは無色で、果実様の臭気を持つ。

目次

生成

硝酸プロパンを350–450℃で処理すると得られる。これは、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパンと並ぶ、主要なニトロアルカン反応である。この反応では、対応する亜硝酸エステルのホモリシスを介して、CH3CH2CH2O.などのフリーラジカルが発生する。これらのアルコキシ基は、C-Cの断片化の影響を受けやすい[1]

用途

産業的には、ヘンリー反応に利用される。 降圧薬メチルドーパの前駆体となる3,4-ジメトキシベンズアルデヒドの合成や、ベンズアルデヒドとの縮合・置換反応によりアンフェタミンの原料となる。ニトロエタンと2倍の量のホルムアルデヒド縮合させたのち水素化すると、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールが生じる。さらにオレイン酸と縮合させるとオキサゾリンが生じる。プロトン化すると陽イオン系界面活性剤となる[1]

他のニトロ化合物と同様に、燃料の添加剤や爆薬の原料として使用される。

危険性

日本の消防法では、ニトロ化合物として第5類危険物(自己反応性物質)に分類される。引火点の28℃以上では、空気と混合し爆発性の気体を生じる。塩基や酸、アミン、重金属と混合したものは衝撃に鋭敏になる[2]。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は1,625mg/kg。摂取した場合には血液障害や麻酔作用、呼吸器への刺激性、催涙性があるが、皮膚への刺激性および発癌性は確認されていない[3]

脚注

  1. ^ a b Sheldon B. Markofsky “Nitro Compounds, Aliphatic” Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2002. doi:10.1002/14356007.a17_401.
  2. ^ 国際化学物質安全性カード
  3. ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ニトロエタン」の関連用語

ニトロエタンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ニトロエタンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニトロエタン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS