ドリル・シップ
【英】: drill ship
同義語: 掘削バージ
浮遊式海洋掘削装置の一種であり、通常の船体上に掘削装置を搭載していることから船型ともいわれる。セミサブマーシブルと同様に、アンカー係留や自動船位保持により大水深での作業が可能であり、自動船位保持方式の掘削装置の大部分はドリル・シップで占められている。ドリル・シップはセミサブマーシブルに比べ、建造コストが小さい、曳航{えいこう}抵抗が少なく移動性に優れている、バリアブル・ロードが大きいなどの特徴を持つが、半面、波浪中の動揺特性が悪く、厳しい気象・海象条件下では稼働率が悪化する。そのため北海やアラスカなどではセミサブマーシブルが使用される例が多く、近年ドリル・シップの建造数は減少の傾向にある。1984 年 11 月現在のドリル・シップの総数は 56 基であり、移動式海洋掘削装置全体の 7 %を占める。 |

掘削バージ

掘削船

掘削船(くっさくせん)は、掘削設備を備えた船である。主に深海において新しい油井の探査掘削を行ったり、科学探査を行ったりするために用いられる。また油井に管を通したりバルブを取り付けたりといった補修・仕上げ作業の石油プラットフォームとして用いられることもある。海上油田の業者や出資者の設計と仕様に基づいて建造されるが、タンカーの船体を改造して油井上に位置を保つための自動船位保持装置を搭載して造られることもある。
現代の掘削船が持つ最大の利点は、2,500 m以上の深海で掘削する能力があり、高速で移動できるので世界中の油田の間を移動するための時間を節約でき、半潜水式掘削装置やジャッキアップ・リグなどと比べて完全に自立していることである。
掘削するために、掘削船からライザー (Marine riser tensioner) と呼ばれるパイプが海底へ下ろされ、その最下部に油井と接続する防噴装置 (Blowout preventer) が取り付けられている。
掘削船は探査掘削を行う手段のうちの1つであり、他に半潜水式掘削装置(セミサブマーシブル)やジャッキアップリグなどで行うことができる。
世界最初の掘削船はモホール計画で使用されたカス1 (CUSS 1) である。米国の深海掘削計画に従事したグローマー・チャレンジャーとその後継プロジェクトである国際深海掘削計画に従事したJOIDES・リゾリューションに続き、日本が建造した独立行政法人海洋研究開発機構の「ちきゅう」は現在掘削船として世界最高性能を誇る。
参考文献
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- Chikyu Scientific Drillship, Japan - Ship Technology (英語)、2009年2月20日アクセス
- Discoverer Enterprise Drillship - Ship Technology (英語)、2009年2月20日アクセス
関連項目
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