ドニプロペトロウシク州知事
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「イーホル・コロモイスキー」の記事における「ドニプロペトロウシク州知事」の解説
2014年ウクライナでの親ロシア派騒乱の最中であった2014年3月2日、大統領代行のオレクサンドル・トゥルチノフはコロモイスキーをドニプロペトロウシク州知事に任命した。2日後、ロシア大統領ウラジミール・プーチンはコロモイスキーを「稀代の詐欺師(уникальный проходимец)」と呼び、ドニプロペトロウシクの人々は彼の知事就任を喜んでいないだろうと述べた。プーチンによればロマン・アブラモヴィッチでさえコロモイスキーに騙されたという。プーチンは、コロモイスキーはアブラモヴィッチとの契約を破ったとして次のように述べた。「彼(コロモイスキー)は2-3年前に我らがロマン・アブラモヴィッチを騙すことに成功した。専門家風に言えば詐欺行為を行った。二人はある取引にサインし、アブラモヴィッチは数十億ドルを送金したが、あの男は約束を果たさずに金をポケットに入れた。私がアブラモヴィッチに「なんでこんなことをしたんだ?」と聞いたら彼は「こんなことはできるはずがないと思っていた」と言っていた」。アメリカのニュースサイトデイリー・ビーストが2014年6月中旬に報じたところによると、コロモイスキーは地元からは強く支持されていたといい、あるレストラン店主は「彼がヒトラーのようだったとしても、ここで戦争が起きないようにしてくれている限りは気にしない」と語っている。 2014年4月、コロモイスキーはロシア側が支援する武装勢力の捕獲に懸賞金を掛け、武器の引き渡しに対しても報奨金を出した。またドニプロ大隊(Dnipro Battalion)の創設に1000万ドルを費やしたとみられており、この他にアイダール大隊、アゾフ大隊、ドニプロ1、ドニプロ2、ドンバス志願兵大隊の各部隊にも資金提供したとみられている。 ロシアはインターポール(国際刑事警察機構)の国際指名手配リストにコロモイスキーを載せるよう要求している。2014年7月2日、ロシアの地方裁判所は本人欠席の裁判において、コロモイスキーを「市民の殺害を組織した」容疑で逮捕する許可を出した。 2015年3月、コロモイスキーの子分オレクサンドル・ラゾルコがウクライナの国営石油パイプライン管理会社ウクルトランスナフタ(UkrTransNafta)社の最高経営責任者を解任された後、コロモイスキーの私兵とされる男たちがウクルトランスナフタ本社を襲撃し、ウクライナ政府が任命した新任の最高経営責任者を追い出した。パイプライン管理の権限をもっていたラゾルコは、コロモイスキーの所有する石油精製会社に他社よりも優先的に石油を送っていた。コロモイスキーによれば、襲撃(コロモイスキーによる警備員の派遣)は会社を襲撃者から守るために行われたものであって「小規模政党(政権与党)の評価を向上させるための単なるPR活動」だとした。 2015年3月25日、ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコはコロモイスキーを知事から解任する大統領令に署名し、「ドニプロペトロウシク地区はウクライナの東の砦であり続けなければならず、平和が守られなければならない」と述べた。コロモイスキーの後任にはヴァレンティン・レズニチェンコ(英語版)が指名された。
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