ドナウ川のさざなみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/29 13:24 UTC 版)
『ドナウ川のさざなみ』 | |
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ルーマニア語: Valurile Dunării | |
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ピアノ譜の表紙
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ジャンル | 管弦楽曲、ワルツ |
作曲者 | ヨシフ・イヴァノヴィチ |
『ドナウ川のさざなみ』(ドナウがわのさざなみ、ルーマニア語: Valurile Dunării、ドイツ語: Donauwellen)は、ルーマニアの作曲家ヨシフ・イヴァノヴィチが1880年に作曲したワルツ。
1880年にブカレストのコンスタンティン・ゲバウアー社から出版された[1]。
エミール・ワルトトイフェルが1886年ごろに編曲した版が[2]1889年に開催されたパリ万国博覧会で演奏され[3]、その哀愁を帯びた旋律、オーケストレーションの見事さなどから、東ヨーロッパの作曲家のワルツ作品としては世界的に有名になった[4]。
その他
日本では、田村貞一が作詞した『ドナウ川の漣』が1902年(明治35年)に慶應大学で斉唱された[5]。
近畿日本鉄道の近鉄名古屋駅では大阪上本町・大阪難波行き特急アーバンライナーが発車する際の発車メロディとして用いられている。
日本統治下の朝鮮では1926年に玄界灘に身投げして情死したソプラノ歌手のユン・シムドクの歌による『死の賛美』が大阪の日東レコードから発売されて流行した[6][7][8]。
1946年に公開されたアル・ジョルソンの伝記映画『ジョルスン物語』では「Anniversary Song」の題で歌詞をつけて歌われている[2][9]。
2000年のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督のアニメーション映画『岸辺のふたり』のBGMとして使われている。
脚注
- ^ ドナウ川のさざなみの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- ^ a b Iosif Ivanovici, NAXOS
- ^ ドナウ川のさざなみ
- ^ Iosef Ivanovici
- ^ ドナウ川のさざなみ
- ^ 「윤심덕(尹心悳)」『韓国民族文化大百科事典』韓国学中央研究院 。
- ^ 田承勳『大ヒットした「死の賛美」…それを真似した「哀傷賦」は大失敗』東亜日報、2018年2月9日 。
- ^ 윤심덕 사의 찬미 - YouTube
- ^ The Anniversary Song - Al Jolson (Larry Parks - The Jolson Story) (1946) - YouTube
外部リンク
ドナウ川のさざなみ
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「ヨシフ・イヴァノヴィチ」の記事における「ドナウ川のさざなみ」の解説
詳細は「ドナウ川のさざなみ」を参照 《ドナウ川のさざなみ》は同じころ活躍していたヨハン・シュトラウス2世の作品《美しく青きドナウ》とはまったく表情が違い、《美しく青きドナウ》が優雅で明るい曲であるのに対し、《ドナウ川のさざなみ》は感傷的でロマンチックな曲である。そのような理由からかこの曲は、日本人の心に訴えるものがあるのか、「月は霞む春の夜」という歌詞がつけられて歌われるほど日本では人気がある。また、当時の軍楽隊のレパートリーにされていたという。アメリカでも歌詞がつけられ、《アニヴァーサリー・ソング》として親しまれている。《ドナウ川のさざなみ》は映画にも多く使われている。その例に《野良犬》、《ジョルスン物語》、《パパは出張中!》、《あゝ野麦峠》などがある。彼がこの曲を作曲した時期はルーマニアが独立を認められた時期である。なお、彼には長調と短調を組み合わせてワルツを作る傾向があったといわれる。クラシック音楽愛好家でもある作家の鮎川哲也は、ルーマニアのレコード公社にあてて貴国を代表する作曲家である彼の全集を製作するよう要望する手紙を出したことがあると記述している。
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