ドクター・中松エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:38 UTC 版)
中松が1991年に完成させたという原動機(画像)。同名の燃料電池と区別して「ドクター・中松エンジンII」とも呼ばれる。同年9月に出版された著書では「宇宙エネルギエンジン」とだけ記述されていたが、10月の著書では、原理を明かさないまま「人類の夢であった永久機関」であるとした。1992年2月の著書では「宇宙エネルギー」なるものをアンテナで取り込む事によって無接触で回転すると説明されたが、その宇宙エネルギーについての説明では、「原子核と電子の間に存在する『宇宙エネルギー』」、「宇宙にある赤外線、可視光線、紫外線、エックス線、ガンマー線など」 と、同じ本の中で記述が異なっている。 本人は、この装置を熱力学第二法則に反さない永久機関であるとしているが、外部から何らかのエネルギーを供給されている以上、永久機関の条件を満たしていない。機械的に接触せずに回転するので、摩擦抵抗が無く一度回り出したら永久に回るともしているが、藤倉珊によると、手で光を遮ると回転は止まったという。以後の中松の著書ではあまり取り上げられる事も無くなり、取り上げられる際にも「仮想永久エンジン」と書かれる様になった。 中松は1983年1月に「光や熱の放射エネルギを直接回転力等にする装置」の名で、同一原理と見られる装置の特許を出願しているが、アメリカでベル研究所が1955年に出願した特許と同じであるとして異議が申し立てられ、1989年に拒絶の審判が下されている。この装置は太陽電池とブラシレスモータの組み合わせであり当然永久機関ではなかったが、「宇宙からの(太陽光という)エネルギーで(発電して)無接触で(ブラシレスモータが)回転する装置」ではあった。 1995年にはこれを応用した太陽光発電装置を「高効率発電装置」の名で再度出願し、請求の範囲を狭める事で特許を取得した。この特許公報では「宇宙エネルギ」という語も説明無しで使われている。1997年の著書では、これと同一と見られるものが、宇宙エネルギから直接交流を発電する「ドクター・中松ジェネレータ」として言及されている。
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