ドイツ軍による使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 00:01 UTC 版)
「ロレーヌ 37L」の記事における「ドイツ軍による使用」の解説
フランス降伏後、ロレーヌ牽引車のうち約360輌という相当な台数がドイツ軍の手に落ちた。本車の信頼性は1941年から1942年のドイツ軍が好んだ機動戦術によく適合した。そのようにして投入されたこれらの車輌は当初「ロレーヌ・シュレッパー(f)」(Lorraine Schlepper(f) と改称された。"Schlepper"とはドイツ語で「牽引車」の意味である。 軍による運用の結果、性能的には二級品にすぎないと評価されたため、民生向けの土木作業用トラクターとして農業省に移管され使用されていたが、戦車不足により自走砲に改造されることになった。車体が小さく、速度も遅かったが、エンジンが中央部にあり、後部が兵員や荷物を搭載する構造になっていたために、簡単な改造で自走砲にできることから短期間で多数の改造型が作られた。ドイツ軍自身は同様の車輌を生産することはなく、ロレーヌ牽引車は全装軌式の補給車として要求を満たした。名称は「Gefechtsfeld-Versorgungsfahrzeug Lorraine 37L (f)」(ロレーヌ37L 戦場補給車(フランス製)の意)、もしくは「'Munitionstransportkraftwagen auf Lorraine Schlepper」(弾薬運送車型ロレーヌ牽引車)とされた。 1942年7月から8月、約170輌ほどがドイツ陸軍用として改修され、「7.5cm PaK40/1 auf Geschuetzwagen Lorraine Schlepper (f)」もしくは「マルダーI」となった。これは75mm砲を装備した自走対戦車砲である。同時に106輌が自走砲に改修された。94輌が「15cm sFH13/1 (Sf) auf Geschuetzwagen Lorraine Schlepper (f)」へ、また12輌が「10.5cm leFH18(Sf) auf Geschuetzwagen Lorraine Schlepper (f)」になっている。さらに砲兵観測車が供給された。これは「Beobachtungswagen auf Lorraine Schlepper (f)」であり、30輌が生産された。このほか、ソビエト連邦製122mm榴弾砲の装着に伴って1輌が改修された。これには「12.2cm Kanone (r) auf Geschuetzwagen Lorraine (f)」の名称が与えられている。 しばらくの間、47mm戦車駆逐車へ改修されたとする存在が仮定された。これは現存写真から「4.7cm Pak181(f) auf PanzerJäger Lorraine Schlepper (f)」と推定されたものであった。しかし、実際には上記に示されるフランス製「Chasseur de Chars Lorraine」のことを表していた。この車輌は1940年6月に特別に改修製作された。 ドイツ軍はまた、VBCP 38Lを「Lorraine 38L(f)」として投入した。 マルダーI エル・アラメインの戦いで捕獲されたSdKfz 135/1 15cm自走榴弾砲
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