ドアミラーとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:09 UTC 版)
「フェンダーミラー」の記事における「ドアミラーとの比較」の解説
トラックやバンなどのボンネットをもたないキャブオーバー型では、ドアミラーでも距離としては大きな差は生じない。 しかし、ボンネットのある車では、安全性の確保の観点から、フェンダーミラーはドアミラーよりも有効だという主張もある。フェンダーミラーはドアミラーに比べてより前方に位置しており、ドライバーにとっては目の移動や頭のひねり角度が少なく、視線の移動を素早く行え、長時間運転する場合の疲労が少ないといわれる。また死角が少なく、助手席に座った同乗者にミラーを遮られることがなく、フェンダー側面からドア側面にかけての視界も確保される。 車体からのはみ出しも少なく、ミラーを畳まずに狭い道を通ることができる。ミラーの装着位置を目安にして前輪の位置を把握しやすく、車幅・車長感覚の補助という効果や、空力的に有利というメリットもある。 その一方で、ミラーが離れるため相対的に鏡像は小さく見え、ミラーに写る情報量は少なくなる。また顔を左右に振らなければ安全確認ができないドアミラーと違い、常に鏡面が視界に入るフェンダーミラーでは情報過多に陥ったり、ドライバーが横方向の安全を怠りがちになったりするという指摘もある。さらには窓の近くに配置されるドアミラーと違い、雨で濡れたときや気温差で曇ったときに拭き取るのが容易ではなく、鏡面の電動調整機能がない場合は調整に手間もかかる。長い脚や鏡体が突起物になり、事故で歩行者と接触した場合の安全を損ねる可能性もある。 また、前述のようなフェンダーミラーのメリットといわれているものも、単に慣れの問題でしかないという主張もある。例えば自動車評論家の国沢光宏は、フェンダーミラーのメリットとされるものを懐疑的に検証し、タクシーに多く採用されているのも象徴的な意味で好まれているに過ぎないのではないかと結論づけている。 なお、限定販売車・オーテック・ザガートステルビオは、フェンダーミラーをボディに内蔵するという、特異な構造を採用している。フェンダーミラーのデザイン性を高めようという趣旨であるが、結果としてデザイン的評価は高いとはいえない。
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