トランケバルとは? わかりやすく解説

トランケバル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/09 21:04 UTC 版)

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座標: 北緯11度01分31秒 東経79度51分17秒 / 北緯11.02528度 東経79.85472度 / 11.02528; 79.85472

海側から見たダンスボー砦

トランケバルTranquebarまたはTrankebar)は、デンマーク領インドの一部として知られており、インドではタランガンバディ(Tarangambadi)という名で知られている。トランケバルは今日、コロマンデル海岸にある南インドの漁村である。チェンナイ(旧マドラス)から南に約300km、インド南東部のタミル・ナードゥ州にある。1620年から1845年まで、トランケバルはデンマークの貿易植民地だった。

歴史

背景

1501年-1739年のデンマークおよび他のヨーロッパの植民地。
トランケバルは南東に位置する。

デンマーク王クリスチャン4世は、デンマーク=ノルウェーを他のヨーロッパの大国と同様の植民地帝国デンマーク語: kolonimagt)にしたいと考えていた。1618年、インド貿易を開始するため、貴族のオベ・ギデが指揮する艦隊が派遣された。長く厳しい航海の後、艦隊は貿易独占権が与えられることを期待してセイロン島(現在のスリランカ)に到着した。しかし、これは成功しなかった。代わりに、オベ・ギデは、デンマーク東インド会社の局長ローランド・クラッペから、デンマーク人が南インドでの貿易権を取得できるというメッセージを受け取った。オベ・ギデはこうしてセイロンを去り、インドタンジャーヴールにある宮殿に向かった。


17世紀、北インドは大ムガール帝国の一部であり、南インドはいくつかの独立した君主(ナーヤカ)に分割支配されていた。タンジャーヴールのナーヤカは南インド東部の一部を支配していた。彼との長い交渉の末、オーブ・ギデとローランド・クラップは小さな漁村のトランケバルに貿易拠点を設立することに成功した。これと引き換えに、デンマークはナーヤカに固定の年貢を支払わなければならず、将来、新しい特権を交渉しなければならなかった。これによってナーヤカは自分の領土内での貿易を管理して発展させることで、ポルトガルの影響力に対抗する手段を得た。

交易植民地

アジアの他の地域でのさらなる貿易拡大のための確固たる足場と出発点にするため、当初からトランケバルは貿易拠点として機能することが意図されていた。特に重要な商品は、砂糖、染料のコショウシナモンカルダモンなどのスパイス、そして綿だった。貿易費用は、トランケバルの領民からの税金と賦役によって賄われることになっていた。

宣教師の伝道

トランケバルのBartholomæusZiegenbalgによる彫刻。

植民地の全盛期、 18世紀の終わりには、トランケバルには200人以上のヨーロッパ人の駐在員がおり、植民地はインドの他の場所やインドネシア、中国、タイ、ペルシアなどとのデンマーク人の貿易の本部として機能していた。 1705年、ドイツの宣教師Bartholomäus ZiegenbalgとHeinrich Plütschauは、デンマーク王が辺縁の領土に対しても宗教に配慮していることを表すために、トランケバルに派遣された。彼らはルーテル教会から送られた最初の宣教師だった。特筆すべきは彼らの建てた印刷所で、最初のタミル語聖書や辞書など、その後の100年間にタミル語の本を300冊以上印刷した [1] [2]

しかし、19世紀になるとデンマークの貿易は衰退し始め、世紀初頭のイギリスとの戦争はデンマーク海軍に深刻な打撃を与えた。1845年ガラテア遠征隊英語版がトランケバルに来航した。デンマークがインドのデンマーク植民地を英国に売却したため、艦長スティーン・ビル(Steen Bille)がダンスボー砦からデンマーク国旗を降ろす公式式典を行った。インドでのデンマーク植民事業はこうして終わった。

今日でも古いデンマークの街区がタランガンバディには残っている。17世紀に建てられた保存状態の良い砦ダンスボー(デンマーク城)、市門、Kongensgade(国王通り)、知事の住居など。

知事の一覧

デンマーク領時代の知事とその任期:

参照文献

  • Torben Abd-el Dayem: Det Ostindiske Eventyr. Ove Geddes rejse til Ceylon og Indien 1618-22. Fiskeri- Søfartsmuseet.
  • Asta Bredsdorff.: Willem Leyels liv og farefulde rejse til Indien. Museum Tusculanums forlag.
  • Ole Feldbæk: "Intet skib til Trankebar" (kronik i: Skalk 1991 nr. 1, s. 18-27)
  • Ole Feldbæk: "India Trade under the Danish Flag 1772-1808"; Scandinavian Institute of Asian Studies Monograph Series No. 2, Studentlitteratur, Odense 1969
  • Esther Fihl, Tropekolonien Tranquebar, G.E.C. Gad, 1988. ISBN 87-12-01726-4.
  • Hans Gregersen: Trankebar; Wormanium, Højbjerg 1987; ISBN 87-85160-95-4
  • Karin Kryger & Lisbeth Gasparski, Tranquebar − Cemeteries and grave-monuments, * * * * *Hans Munk Hansen: "Tranquebar, Town and Buildings of the Danes" Kunstakademiets Arkitektskoles Forlag, 2003. ISBN 87-87136-45-7.
  • Palle Petersen: Dansk koloni i Indieland - Christian den 4. og Tranquebar, 2018 … Roman - PalleP-forlag (DBK) .. IsBN 8799508631

脚注

  1. ^ Volmer Rosenkilde, Det danske Trykkeri i Trankebar 1712-1845 i: Bogvennen, Ny række, bd. 4 (1949). – S. 91-112.
  2. ^ Galathea 3 – Forskning – Indiens første bogtrykkeri

外部参照

ウィキメディア・コモンズには、トランケバルに関するカテゴリがあります。


トランケバル (1620年–1845年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 09:49 UTC 版)

デンマークの植民地」の記事における「トランケバル (1620年1845年)」の解説

トランケバル(現タランガンバディ)の植民地は、若干中断をはさみながら200年以上にわたりデンマーク支配下にあったが、1845年イギリス売却された。

※この「トランケバル (1620年–1845年)」の解説は、「デンマークの植民地」の解説の一部です。
「トランケバル (1620年–1845年)」を含む「デンマークの植民地」の記事については、「デンマークの植民地」の概要を参照ください。

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