コロマンデル海岸とは? わかりやすく解説

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コロマンデル海岸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/10 06:58 UTC 版)

コロマンデル海岸沿いの地域
Monsieur d'Anvilleによる地図(1753年)
ヨーロッパ諸国のインドにおける拠点(1501年 -1739年)

コロマンデル海岸英語: Coromandel Coast)は、インド南東部の海岸。クリシュナ川の河口からカリメール岬英語版に至るまでの海岸を指す。全長は約720キロメートル。

主要な港湾都市の一つ・チェンナイ近郊のマイラポール英語版ポルトガル人が築いた交易拠点の名から、歴史的に日本ではこの地方を「サントメ(桟留)」と呼んだ。綿織物の「桟留縞[1][2][3]や、なめし革の「桟留革」[4]は、この地名に由来する。

地理

コロマンデル海岸はデカン高原東部の東ガーツ山脈のさらに東側にあるベンガル湾の海岸で、北東モンスーンの影響で10月と11月に雨が多い。クリシュナ川、ペンナ川英語版パーラール川ポンナイヤル川英語版カーヴェーリ川などの河口およびプリカット湖英語版カリヴェリ湖英語版などのがあり、主な都市はチェンナイ、ポンディシェリカッダロールナーガパッティナムおよび石窟寺院などで有名なマハーバリプラムなどがある[5]

一帯にはベニサガリバナ英語版アラビアゴムモドキ英語版パーキンソニア・アクレアタ英語版フタバナヒルギ英語版オオバヒルギシマシラキ英語版などのマングローブまたはヤシ林が生え、ブロンズトキケリレンカクアジアヘビウ英語版ホシバシペリカンクロトキヘラサギゴイサギインドトキコウシロハラサギ英語版ヘラシギカラフトアオアシシギヒドリガモオナガガモシマアジカラフトワシカタシロワシカワアジサシジャングルキャットボンネットモンキー英語版ジャッカルDaboia siamensis英語版ニシキヘビ属スナボア亜科英語版ヒメウミガメインドハコスッポンインドホシガメカエル、魚類、ショウナンエビ英語版ウシエビカニなどの動物が生息している。チェンナイ南郊のパッリカラナイ湿地英語版[6]カリキリ鳥類保護区英語版[7]ヴェダンターンガル鳥類保護区英語版[8]、ポンディシェリ北郊のカルヴェリ鳥類保護区英語版[9]ピチャヴァラム英語版・マングローブ[10]ヴァドゥヴール鳥類保護区英語版[11]ウダヤマルタンダプラム鳥類保護区英語版[12]などのラムサール条約登録湿地がある。

歴史

9世紀から13世紀まで続いたチョーラ王朝がこの地に栄えた[5]

1530年代末までに、ポルトガルが三箇所の交易拠点(ナーガパッティナム、São Tomé de Meliapore、Pulicat)を設けた。

しかし、17世紀になるとオランダにナーガパッティナムなどを奪われ、コロマンデル海岸への影響力を失った。一方で、オランダがSadras、Covelongなどにも拠点を置き、イギリスも17世紀前半にマスリパタムマドラス(チェンナイ)などに商館を建て、マドラスにセント・ジョージ要塞を建設した。

フランスもポンディシェリ、カーライッカールニザームパトナムなどに拠点を置いたほか、デンマークもこの地域への進出を図った。こうしたヨーロッパ諸国による進出は、インド産綿布を扱うことを目的としていた。最終的にはイギリスがこの地域を確保したが、わずかながらフランスもポンディシェリなどに拠点を保った。

脚注

注釈

出典

  1. ^ サントメ縞”. デジタル大辞泉. 2022年5月28日閲覧。
  2. ^ 4. 海外知識の受容(2)暮らしの中の異国”. 江戸時代の日蘭関係. 国立国会図書館. 2022年5月28日閲覧。
  3. ^ 『南インド002チェンナイ~飛躍する南インドの「港湾都市」』まちごとパブリッシング、2016年、81-82頁
  4. ^ サントメ革”. デジタル大辞泉. 2022年5月28日閲覧。
  5. ^ a b コロマンデル海岸(ころまんでるかいがん)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年4月23日閲覧。
  6. ^ Pallikaranai Marsh Reserve Forest | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年7月25日). 2023年4月23日閲覧。
  7. ^ Karikili Bird Sanctuary | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年7月25日). 2023年4月23日閲覧。
  8. ^ Vedanthangal Bird Sanctuary | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年8月3日). 2023年4月23日閲覧。
  9. ^ Kazhuveli Bird Sanctuary | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2024年8月22日). 2024年11月10日閲覧。
  10. ^ Pichavaram Mangrove | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年7月25日). 2023年4月23日閲覧。
  11. ^ Vaduvur Bird Sanctuary | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年10月31日). 2023年4月23日閲覧。
  12. ^ Udhayamarthandapuram Bird Sanctuary | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2022年8月3日). 2023年4月23日閲覧。

関連項目


コロマンデル海岸 (インドの東海岸)

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オランダ東インド会社の交易所と居留地の一覧」の記事における「コロマンデル海岸 (インド東海岸)」の解説

ゴールコンダ (1662-ca 1733) ビミリパトナム(1687-1795 / 1818-1825)から英領;現在のBheemunipatnam ジャガーナイクペラム(1734-1795 / 1818-1825)から英領;現在のKakinada Daatzeram(1633-1730);現在のDrakshawarama ナーゲルヴァンツェ(1669-1687); Nagulavancha パリコル(1613-1781 / 1785-1795 / 1818-1825)後に英領;現在のパラコール(英語版)。 マチリーパトナム (1605-1756) ペタポエリ(1606-1668);現在はニザームパトナム Paliacatta(1610-1781 / 1785-1795 / 1805-1825)から英領;現在はプリカット サドラス(英語版) (1654-1757 / 1785-1795)、1818年イギリス征服される Tierepopelier(1608-1625);現在のThiruppapuliyurまたはTirupapuliyur テゲナパトナム、クダルール(1608-1758);現在のカダロール ポルトノボ(1608-1825(6月1日))から英領;現在のParangipettai ネガパトナム (1658-1781)から英領へ。 ツチコリンまたはツツコリム(1658);現在のトゥーットゥックディ トラヴァンコール 以下の二つ拠点セイロン管轄にあったが、地理的にインド本土属する Caab Commorijn ;現在のカンニヤークマリ Cotatte ;現在のナーガルコーイル

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