デモ参加者の人数
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「2019年6月9日香港逃亡犯条例改正案反対デモ」の記事における「デモ参加者の人数」の解説
デモ参加者の人数は、主催者(民間人権陣線)発表の103万人と警察発表の24万人の間で大きな隔たりがあった。そのため、ロイター、BBCニュース、『コロンビア・ジャーナリズム・レビュー(英語版)』誌、天下雜誌(中国語版)、香港フリープレス(英語版)は報道で多くの統計法に言及した。香港ではデモに参加した人数が議論になることが多く、2003年7月1日香港デモ(中国語版)に関する香港電台の報道では、主催者発表と警察発表の人数に常に数倍の差があるとしている。これらの2つの発表の間をとって実際の人数を概算する人もいる一方、香港大学と香港中文大学の教員で構成される研究グループによる計算結果では、主催者発表にかなり近い数字になったという。過去のデモでは人の手によって参加者を数えていたが、2019年6月9日のデモでは人工知能による参加者数統計が香港で初めて用いられ、より客観的な数値となることが期待された。たとえば、蘋果日報が人工知能を用いた統計では軒尼詩道と馬師道(中国語版)の交差点を通ったデモ参加者だけで少なくとも51万7千人はいたという。この数字は2003年7月1日香港デモの参加者数を超えているが、前出の交差点を通らず近隣の駱克道(中国語版)や莊士敦道(中国語版)を通った参加者、湾仔からデモに参加した者が含まれていないため、実際の参加者数はさらに多いとされる。 ほかにも元立法会議員の姚松炎(中国語版)は86万から138万人と計算した。元経済学教授の雷鼎鳴(中国語版)は、デモ隊の隊列の面積を約5万平方メートルとして、これに1平方メートルあたり3.3人という密度をかけて、さらに終点の人数を数えて合計で187,000人から212,000人としたが、これに対しテキサス州立大学の地理学准教授は、正しい面積は14万8千平方メートルであると指摘した。また、ビッグデータを利用して、デモの関連キーワードのトレンドを追跡した結果、6月8日には487,000人から754,900人という予測が出された。そして、これらの計算と比較し、警察発表の人数があまりにも少ないことから、毅進制(中国語版)という警察発表を揶揄する造語が生まれた。 このように、統計の大半は6月9日のデモの参加者数が2003年7月1日香港デモの参加者数を上回ることを示し、香港におけるデモでは六四天安門事件に関連した1989年5月28日香港デモ(中国語版)に次ぐ史上2位となったが、歴代1位であった1989年デモの記録は、この6月9日のデモからわずか1週間後の2019年6月16日香港逃亡犯条例改正案反対デモで破られることになる。
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