ディリクレの類数公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 07:38 UTC 版)
二次体 K の判別式を D とし、χ を ( Z / d Z ) × {\displaystyle \scriptstyle (\mathbb {Z} /d\mathbb {Z} )^{\times }} に対するクロネッカーの指標とする。K に対する ディリクレの L 関数を用いて、K の類数 hK は h K = 1 κ L ( 1 , χ ) {\displaystyle h_{K}={\frac {1}{\kappa }}L(1,\chi )} で与えられる。但し、κ は、 κ = { 2 log ε 0 D ( D > 0 ) , 2 π w − D ( D < 0 ) , {\displaystyle \kappa ={\begin{cases}{\frac {2\log \varepsilon _{0}}{\sqrt {D}}}&(D>0),\\{\frac {2\pi }{w{\sqrt {-D}}}}&(D<0),\end{cases}}} で与えられる 0 でない実数である。ここで、w は、K に含まれる 1 のベキ根の数、ε0 は、K の基本単数とする。 さらに上式は、以下の形で有限和の形で表現することが可能である。 K が実二次体のとき h K = − 1 2 log ε 0 ∑ a = 1 d − 1 χ ( a ) log sin a π d {\displaystyle h_{K}=-{\frac {1}{2\log \varepsilon _{0}}}\sum _{a=1}^{d-1}\chi (a)\log \sin {\frac {a\pi }{d}}} . K が虚二次体のとき h K = − w 2 d ∑ a = 1 d − 1 χ ( a ) a {\displaystyle h_{K}=-{\frac {w}{2d}}\sum _{a=1}^{d-1}\chi (a)a} . 但し、ε0 は、K の基本単数、d = |D|、w は、K に含まれる 1 のベキ根の数とする。 これらの式を総称してディリクレの類数公式という。 類数を表す式は、他にも、デデキントのゼータ関数の s = 1 {\displaystyle s=1} での留数で表現するものも知られている。 ζ K ( s ) {\displaystyle \zeta _{K}(s)} を、二次体 K のデデキントのゼータ関数とすると、以下の式が成立する。 κ h K = Res s = 1 ζ K ( s ) {\displaystyle \kappa h_{K}=\operatorname {Res} _{s=1}\zeta _{K}(s)} 。 但し、κ は、上記、ディリクレの類数公式で与えられた κ である。
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ディリクレの類数公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 07:08 UTC 版)
ディリクレは1839年に二次体の類数公式の証明を出版したが、イデアル類というより、二次形式の言葉で書かれていた。ガウスは既にこの公式を1801年には知っていたと考えられる。 この記述は、ダベンポート(Davenport)のものに従う。 d を基本判別式(英語版)とし、h(d) を判別式 d を持つ二次形式の同値類の数とする。 χ = ( d m ) {\displaystyle \chi =\left(\!{\frac {d}{m}}\!\right)} をクロネッカーの記号(英語版)とする。すると χ {\displaystyle \chi } はディリクレ指標である。 χ {\displaystyle \chi } のディリクレのL-級数を L ( s , χ ) {\displaystyle L(s,\chi )} と書くことにする。d > 0 に対し t > 0 とし、u > 0 である u をペル方程式 t 2 − d u 2 = 4 {\displaystyle t^{2}-du^{2}=4} の最小の解として、 ϵ = 1 2 ( t + u d ) . {\displaystyle \epsilon ={\frac {1}{2}}(t+u{\sqrt {d}}).} と書くことにする。(すると ε は実二次体 Q ( d ) {\displaystyle \mathbb {Q} ({\sqrt {d}})} の基本単数、もしくは基本単数の二乗となる) d < 0 としたとき、判別式が d である二次形式の自己同型の数を w とする。すなわち、 w = { 2 , d < − 4 ; 4 , d = − 4 ; 6 , d = − 3. {\displaystyle w={\begin{cases}2,&d<-4;\\4,&d=-4;\\6,&d=-3.\end{cases}}} としたときに、ディリクレは、 h ( d ) = { w | d | 2 π L ( 1 , χ ) , d < 0 ; d ln ϵ L ( 1 , χ ) , d > 0. {\displaystyle h(d)={\begin{cases}{\dfrac {w{\sqrt {|d|}}}{2\pi }}L(1,\chi ),&d<0;\\{\dfrac {\sqrt {d}}{\ln \epsilon }}L(1,\chi ),&d>0.\end{cases}}} となることを示した。このことは上記の定理 1 の特別な場合であり、二次体 K に対して、デデキントのゼータ函数は、まさに ζ K ( s ) = ζ ( s ) L ( s , χ ) {\displaystyle \zeta _{K}(s)=\zeta (s)L(s,\chi )} となり、留数は L ( 1 , χ ) {\displaystyle L(1,\chi )} となる。またディリクレは、L-級数は有限の形に書くことが可能であることをも示し、このことは類数が有限の形となることを意味している。主導手 q {\displaystyle q} に対して、 χ {\displaystyle \chi } が原始的(primitive)である(→w:Dirichlet character#Primitive characters and conductor)と仮定すると、 L ( 1 , χ ) = { − π q 3 / 2 ∑ m = 1 q − 1 m ( m q ) , q ≡ 3 mod 4 ; − 1 q 1 / 2 ∑ m = 1 q − 1 ( m q ) ln 2 sin m π q , q ≡ 1 mod 4. {\displaystyle L(1,\chi )={\begin{cases}-{\dfrac {\pi }{q^{3/2}}}\sum _{m=1}^{q-1}m\left({\dfrac {m}{q}}\right),&q\equiv 3\mod 4;\\-{\dfrac {1}{q^{1/2}}}\sum _{m=1}^{q-1}\left({\dfrac {m}{q}}\right)\ln 2\sin {\dfrac {m\pi }{q}},&q\equiv 1\mod 4.\end{cases}}} となる。 「二次体#二次体の類数公式」も参照
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