ディリクレ指標と解析数論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 03:21 UTC 版)
「合同算術」の記事における「ディリクレ指標と解析数論」の解説
詳細は「解析数論」を参照 オイラーにより、素数を亙るある無限積が単位円の面積の平方の1⁄6(つまり、π2/6)に等しいことが発見され、数の理解に対する新たなアプローチの仕方が生まれた。ディリクレはこれを用いて整数の合同類環の単数群が素数を無限に含むことを示した。今日ではこれはディリクレの算術級数定理と呼ばれる。 この証明を得るためにディリクレはディリクレの L-級数という特別な道具を発明した。その一つは有名なリーマンゼータ函数に対応するものである。証明においてもっとも困難であったのは、この函数が点 1 に根を持たないことであった。そのためにディリクレは合同類環の単数群上で調和解析を用いた。 ここでもやはり、合同算術は定理に至るには不十分であり、ディリクレは整級数や複素解析など種々の解析的手法を用いている。そうして新たな数学の分野である、解析数論が生まれた。解析数論の重要な通過点がベルンハルト・リーマンの一つの論文 Ueber die Anzahl der Primzahlen unter einer gegebenen Grösse(「与えられた数より小さい素数の個数について」)によってもたらされる。リーマンはゼータ函数の根の位置に関する予想を提示した。ディリクレによってはじめられた根の位置の研究は、この分野の中心的な関心となり、現代の数学においても最も解決の難しい予想の一つとして残されている。
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