ダミー変数を用いた重回帰分析による分析の例とは? わかりやすく解説

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ダミー変数を用いた重回帰分析による分析の例


 まず最初に分析使用するデータ準備する。各アイテム変数を,「その変数が持つカテゴリー− 1」個のダミー変数変換する表 2 参照)。
 例えば,あるアイテム変数が 3 個のカテゴリーを持つときは 2 個のダミー変数をあてる。アイテム変数の値が 1 のときは,2 個のダミー変数は 0, 0 とし,2 のときは 1, 0 とし,3 のときは 0, 1 とする。
表 1数量化 I 類による分析に使うデータ
ケース番号 x1 x2 y
1 1 1 9.3
2 1 2 7.6
3 1 2 11.9
4 1 2 12.4
5 1 3 14.7
6 2 1 17.7
7 2 1 10.4
8 2 1 19.8
9 2 2 21.1
10 2 3 15.0
11 2 3 20.5
12 3 1 23.6
13 3 2 27.4
14 3 3 31.2
15 3 3 33.4
     
表 2カテゴリー変数ダミー変数展開したデータ
ケース番号 d11 d12 d21 d22 y
1 0 0 0 0 9.3
2 0 0 1 0 7.6
3 0 0 1 0 11.9
4 0 0 1 0 12.4
5 0 0 0 1 14.7
6 1 0 0 0 17.7
7 1 0 0 0 10.4
8 1 0 0 0 19.8
9 1 0 1 0 21.1
10 1 0 0 1 15.0
11 1 0 0 1 20.5
12 0 1 0 0 23.6
13 0 1 1 0 27.4
14 0 1 0 1 31.2
15 0 1 0 1 33.4



***** 分析用いた変数基礎統計量 *****

      平均値      不偏分散       標準偏差 

y 18.400000000 62.712857143 7.9191449755
d11 0.400000000 0.257142857 0.5070925528
d12 0.266666667 0.209523810 0.4577377082
d21 0.333333333 0.238095238 0.4879500365
d22 0.333333333 0.238095238 0.4879500365



***** 相関係数行列 *****

y   1.00000
d11    -0.10494  1.00000
d12    0.82761  -0.49237  1.00000
d21    -0.21443  -0.28868  -0.10660  1.00000
d22    0.42146  0.00000  0.21320  -0.50000  1.00000

y d11 d12 d21 d22



***** 重回帰式 *****

    偏回帰係数   標準誤差      t値     P値  標準化偏回帰係数

d11  6.743750 2.266673 2.9751749 0.01392 0.4318276  
d12  17.22500 2.423176 7.1084399 0.00003 0.9956292  
d21  2.617500 2.349356 1.1141350 0.29128 0.1612812  
d22  4.703750 2.214258 2.1243010 0.05959 0.2898286  
定数項 8.668750 2.266673 3.8244371 0.00335

t値自由度10

偏回帰係数解釈は以下のようになる
元のアイテム変数 xi は,2 個のダミー変数 di1 と di2 を使って表現されている(i = 1, 2)。それぞれのダミー変数対す偏回帰係数を bi1 ,bi2 とすると,予測値は
ダミー変数を用いた重回帰分析による分析の例 = d11b11 + d12b12 + d21b21 + d22・b22 + 定数項あらわされる。
x1 が 1 という値を取るときは,d11 = 0,d12 = 0 であるから予測値に寄与する値は 0・6.74375 + 0・17.225 = 0 である。
x1 が 2 という値を取るときは,d11 = 1d12 = 0 であるから予測値に寄与する値は 1・6.74375 + 0・17.225 = 6.74375 である。すなわち,この場合x1 = 1場合比べて予測値は 6.74375 大きくなる
x1 が 3 という値を取るときは,d11 = 0,d12 = 1 であるから予測値に寄与する値は 0・6.74375 + 1・17.225 = 17.225 である。すなわち,この場合x1 = 1場合比べて予測値は 17.225 大きくなる
標準化偏回帰係数大きさからいうと,予測をするために最も重要なのは d12 であり,次いで d11 である(これらに対すP 値小さいので,これらの係数が 0 でないといってよいことがわかる)。d22d21 はそれらに比べて予測という観点からはあまり重要ではないことがわかる(これらに対すP 値大きいので,これらの係数は 0 でないととはいえないということがわかる)。


***** 分散分析*****

要因    平方和   自由度   平均平方     F値    P値

回帰 760.5444 4 190.1361 16.19067 0.00023
残差 117.4356 10 11.74356
全体 877.9800 14

    P 値小さいので(例えば 5% の有意水準検定すると),この重回帰式により十分予測できるといえる


重相関係数 = 0.93072
決定係数重相関係数の二乗) = 0.86624
自由度調整済み重相関係数の二乗 = 0.81274
    重相関係数決定係数の値は数量化 I 類による結果と全く同じになる



***** 従属変数観察値,予測値および標準化残差 *****

ケース   観察    予測     残差  標準化残差

1 9.3 8.66875 0.63125 0.24038
2 7.6 11.28625 -3.68625 -1.23779
3 11.9 11.28625 0.61375 0.20609
4 12.4 11.28625 1.11375 0.37398
5 14.7 13.37250 1.32750 0.50253
6 17.7 15.41250 2.28750 0.76458
7 10.4 15.41250 -5.01250 -1.67538
8 19.8 15.41250 4.38750 1.46648
9 21.1 18.03000 3.07000 1.15313
10 15.0 20.11625 -5.11625 -1.78544
11 20.5 20.11625 0.38375 0.13392
12 23.6 25.89375 -2.29375 -0.87346
13 27.4 28.51125 -1.11125 -0.43006
14 31.2 30.59750 0.60250 0.21203
15 33.4 30.59750 2.80250 0.98626

    予測値は数量化 I 類による結果と全く同じになる
結局偏回帰係数の値とノーマライズドカテゴリースコアの値は異なるように見えるが,定数項含めた調整後では全く同じ予測値を与え重みであることが分かる


***** 予測値と観察値のプロット *****
ダミー変数を用いた重回帰分析による分析の例     予測値と観察値はほぼ傾き1の直線近辺にあり,予測比較うまくいっている(数量化 I 類結果と全く同じ図である)。


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