ダミー変数を用いた判別分析による分析の例とは? わかりやすく解説

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ダミー変数を用いた判別分析による分析の例


 まず最初に分析使用するデータ準備する。各アイテム変数を,「その変数が持つカテゴリー− 1」個のダミー変数変換する表 2 参照)。
 例えば,あるアイテム変数が 3 個のカテゴリーを持つときは 2 個のダミー変数をあてる。アイテム変数の値が 1 のときは,2 個のダミー変数は 0, 0 とし,2 のときは 1, 0 とし,3 のときは 0, 1 とする。
表 1数量化 II 類による分析に使うデータ
ケース番号 x1 x2  群 
1 1 1 1
2 1 2 1
3 1 2 1
4 1 2 1
5 1 3 1
6 2 1 1
7 2 1 1
8 2 1 2
9 2 2 2
10 2 3 1
11 2 3 2
12 3 1 2
13 3 2 2
14 3 3 2
15 3 3 2
     
表 2カテゴリー変数ダミー変数展開したデータ
ケース番号 d11 d12 d21 d22  群 
1 0 0 0 0 1
2 0 0 1 0 1
3 0 0 1 0 1
4 0 0 1 0 1
5 0 0 0 1 1
6 1 0 0 0 1
7 1 0 0 0 1
8 1 0 0 0 2
9 1 0 1 0 2
10 1 0 0 1 1
11 1 0 0 1 2
12 0 1 0 0 2
13 0 1 1 0 2
14 0 1 0 1 2
15 0 1 0 1 2



***** 判別係数 *****

判別係数   標準化判別係数

d11   -5.52441 -2.70640  
d12   -9.87342 -4.36619  

d21   -2.20976 -1.04169  
d22   -1.01085 -0.47652  

定数項  6.11358


判別係数解釈は以下のようになる
元のアイテム変数 xi は,2 個のダミー変数 di1 と di2 を使って表現されている(i = 1, 2)。それぞれのダミー変数対す判別係数を bi1 ,bi2 とすると,判別値は
ダミー変数を用いた判別分析による分析の例 = d11b11 + d12b12 + d21b21 + d22・b22 + 定数項あらわされる。
x1 が 1 という値を取るときは,d11 = 0,d12 = 0 であるから判別値に寄与する値は 0・6.74375 + 0・17.225 = 0 である。
x1 が 2 という値を取るときは,d11 = 1d12 = 0 であるから判別値に寄与する値は 1・(-5.52441) + 0・(-9.87342) = -5.52441 である。すなわち,この場合x1 = 1場合比べて判別値は 5.52441 小さくなる
x1 が 3 という値を取るときは,d11 = 0,d12 = 1 であるから判別値に寄与する値は 0・(-5.52441) + 1・(-9.87342) = -9.87342 である。すなわち,この場合x1 = 1場合比べて判別値は 9.87342 小さくなる
標準化判別係数大きさからいうと,予測をするために最も重要なのは d12 であり,次いで d11 である(これらに対すP 値小さいので,これらの係数が 0 でないといってよいことがわかる)。d22d21 はそれらに比べて予測という観点からはあまり重要ではないことがわかる。


***** 各ケース判別結果 *****

ケース  実際の群  判別された群   二乗距離 1   二乗距離 2    判別

1 1 1    4.31(0.366) 16.54(0.002) 6.11358
2 1 1    1.77(0.778) 9.58(0.048) 3.90382
3 1 1    1.77(0.778) 9.58(0.048) 3.90382
4 1 1    1.77(0.778) 9.58(0.048) 3.90382
5 1 1    3.99(0.407) 14.20(0.007) 5.10274
6 1 1    3.32(0.505) 4.50(0.342) 0.58917
7 1 1    3.32(0.505) 4.50(0.342) 0.58917
8 2 1 #  3.32(0.505) 4.50(0.342) 0.58917
9 2 2    7.93(0.094) 4.69(0.321) -1.62059
10 1 2 #  5.17(0.270) 4.33(0.364) -0.42168
11 2 2    5.17(0.270) 4.33(0.364) -0.42168
12 2 2    11.47(0.022) 3.95(0.413) -3.75983
13 2 2    16.17(0.003) 4.23(0.376) -5.96960
14 2 2    11.97(0.018) 2.43(0.657) -4.77068
15 2 2    11.97(0.018) 2.43(0.657) -4.77068

    判別値は数量化 I 類による結果比例する
結局判別係数の値とノーマライズドカテゴリースコアの値は異なるように見えるが,定数項含めた調整後では全く等価判別値を与え重みであることが分かる


***** 判別結果総括*****

判別された群

実際の群 群 1 群 2 合計

群 1 7 1 8
% (87.5) (12.5) (100.0)

群 2 1 6 7
%  (14.3)  (85.7)  (100.0)

判別率=86.67%
    第 1 群の 8 例中 7 例,第 2 群の 7 例中 6 例が正しく判別できている。正判別率は正しく判別された数(7+6)を全体の数 15割った割合として求めてある。
数量化 II 類結果と全く同じである。


***** 二群の判別*****
ダミー変数を用いた判別分析による分析の例



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