ターナー日記(The Turner Diaries)
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「ウィリアム・ルーサー・ピアース」の記事における「ターナー日記(The Turner Diaries)」の解説
詳細は「ターナー日記(英語版)」を参照 1978年、ピアースはアンドリュー・マクドナルド(Andrew Macdonald)のペンネームで小説『ターナー日記(英語版)』(The Turner Diaries)を発表した。オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犯人ティモシー・マクベイは同書に影響を受けて犯行に至った旨を証言している。『ターナー日記』は、近未来の米国を舞台とした人種間闘争を題材としており、「民族の裏切り者」(race traitors)、すなわちユダヤ人、同性愛者、異人種(白人と非白人)間結婚ないし交際を行っている者を対象とした激しい暴力描写が描かれている。例えば作中で「ロープの日」(the Day of the Rope)と呼ばれている場面では、民族浄化の始まったロサンゼルス市の大通りで大勢の「民族の裏切り者」が縛り首にされていく。これらの暴力および殺人は、作中で「絶対的必要悪」(Terrible yet Absolutely Necessary)とされている。物語は白人至上主義に基づく革命を計画する地下組織のメンバー、アール・ターナー氏(Earl Turner)の視点から語られていく。 マクベイの犯行と最も関係が深いのは、主要登場人物の1人が連邦捜査局(FBI)本部の爆破を試みる場面であるとされる。作中の爆破テロと実際の事件の類似性に関する指摘もある。一方で動機について、マクベイ自身はウェーコ事件およびルビーリッジ事件(英語版)に対する抗議であると述べている。 『ターナー日記』は1980年代初頭の白人至上主義革命を求める国家主義組織に影響を与えた。このグループは沈黙の同胞(Silent Brotherhood)、あるいは単にザ・オーダー(英語版)(The Order)と自称した。ザ・オーダーはアーリアン・ネーションズ(英語版)から分離したグループの1つで、合法的な政治活動に基づく「安楽椅子革命」(armchair revolutionaries)に反発を覚えた過激派である。彼らは紙幣の偽造や銀行強盗など様々な犯罪行為に関与していた。ザ・オーダーの指導者だったロバート・ジェイ・マシューズ(英語版)はワシントン州ウィドビー島(英語版)のアジトにて警官隊との銃撃戦の末に死亡した。そのほか、後にその名を知られるデヴィッド・レーン(英語版)を含むザ・オーダー主要メンバーは全員が逮捕され連邦刑務所に送られたが、未だに白人至上主義に対する支持を表明している者が多いという。 1996年、ピアースは『ターナー日記』の出版権をライル・スチュアート(英語版)に売却している。
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