タレントマネジメント体制の不備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 14:35 UTC 版)
「お笑い芸人による闇営業問題」の記事における「タレントマネジメント体制の不備」の解説
吉本興業側では、慢性的にタレントの総数がマネージャーの総数を大きく上回った状態であるため、中堅タレントでもマネージャーが複数を掛け持ちしていることも多い。そのため、番組制作側と連絡が付きにくく、制作側とタレントが直接メールや電話でやり取りするケースもある。このマネージャー不足は、2019年4月に労働基準監督署から是正勧告を受け、そこでは従業員の過重労働(労使協定に反する月50時間以上の残業)や休日勤務手当の未払いが問題視された。 それでも、吉本興業の芸人が一定の割合で活躍ができているのは芸人の自主性による部分が大きな理由とされており、さんまなどの様に吉本とは別に個人事務所を設けている所属者もいるほか、吉本とマネジメント契約を結んでいる人物であっても、中堅芸人によっては自ら仕事を作ったり取ってきたりすることがある。松谷は、今回の闇営業問題がまさにその自主性や芸人の努力に応えられない環境であるならば、吉本側のマネジメント体制の不備が引き起こしたとも言えると指摘する。 吉本興業では2019年7月12日、所属タレントが依頼された仕事をすべて会社に報告することなどを定めた「共同確認書」を作成し、7月中に全所属タレントに署名させることを発表している。また、吉本興業が所属タレントとの間で書面による正式な所属契約書を手交していないことについて、公正取引委員会事務総長の山田昭典が2019年7月24日の定例記者会見の席にて「契約書面の不存在は、競争政策の観点から見て誠に問題があると考える」という認識を示している。 吉本興業の大崎洋会長は2020年5月16日号の週刊現代のインタビューで、闇営業騒動は上場廃止を含めた現体制の方針を面白く思わない不満分子が仕掛けたお家騒動と述べ、「お家騒動で若い社員たち、経理、法務の人間が契約について考えるようになった。あのとき全部の芸人にアンケートを採ったんです。そうしたら9割以上なんで変える必要があるのっていう回答でした。それでも主たる芸人はもちろん6000人全員と最低限の所属確認書を交わしました。」、「(19年に大崎から社長を引き継いだ)岡本君の(闇営業の当事者である宮迫博之らに対しテレビ局に圧力をかけて潰すという内容の)パワハラがあったという報道がありました。岡本君がどんなトーンで言ったかとは知らないですけど、前提として両者の間には信頼関係があったはず。その会話の一部分を切り取って外に喋るという人間は今までの吉本にはいなかった。そういう人は吉本にいてくれなくていいです。あの時マスコミが芸人が辞める、辞めないを決める権利があるという書き方をしてましたね。でも君はもういいから辞めなさい。(独立して)自分でやったほうがいいじゃないかと言える会社側の権利もあるはずなんです。言っておきたいのは、ぼくが吉本に入った42年前から、辞めたり離れたりする芸人さんの足を引っ張ったことない。」と述べた。
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