セル・オートマトン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/30 07:28 UTC 版)
1980年代初頭からスティーブン・ウルフラムは1次元セル・オートマトンのルール(遷移関数)ごとの挙動を調査し、その挙動を以下のように4つにクラス分けした。 クラスI:均一な一定状態に漸近する挙動 クラスII:周期的な状態に漸近する挙動 クラスIII:ランダムな状態を維持する挙動 クラスIV:他のクラスほど厳密に定義されないが、上記の3クラスに当てはまらない挙動 ウルフラムはクラスIからIIIまでに対し、力学系の挙動とアナロジー的に該当するものを当て嵌めている。 クラスI:安定不動点 クラスII:リミットサイクル クラスIII:カオス ウルフラムによればクラスIVについては該当する力学系の挙動が存在しない。クラスIVでは非常に複雑な挙動が起こる。いくつかの局所的な構造が生み出され、それらはセル空間内を移動し、相互作用を起こし合う。また、ある初期値では全て一定状態に漸近したり、別の初期値では周期的状態に漸近したり、ランダム状態を維持したりなどの変化も見せる。以下の図はウルフラムのルール番号によってルール110と呼ばれるルールを採用したときのセル・オートマトンの挙動(時間発展)を示している。初期配置は黒一点のみが存在する場合である。クラスIVに分類される。 クリストファー・ラングトンはクラスIVについてさらに調べるために、次のようなパラメータを導入した。 ここで、k は状態数、 ρ は近傍数を意味し、kρ は可能な近傍の状態数となる。状態数 k の内の任意な一つの状態 q を「静止状態」と呼ぶとする。nq は kρ の内の次の時刻に静止状態(すなわち q )となる数を示す。λ は静止状態とならない割合を示しており、一般には λ パラメータなどと呼ばれる。あるいは、ラングトン自身は λ パラメータのことを「あるレベルの挙動の複雑さに関連する統計量」と位置づけている。 nq の最小から最大までの範囲は、0 ≤ nq ≤ kρ なので、λ の範囲は 0 ≤ λ ≤ 1 となる。ラングトンによれば、λ = 0 で最少である複雑性は、λ の増加とともにも複雑性も増加し、λ がある値となったところで極大となり、その後は複雑性は減少していき、λ = 1 でまた最少となる。複雑性が極大となる臨界値は λc で表される。ウルフラムのクラスと一緒にまとめると、挙動とクラスと λ パラメータは以下のような関係の下に変化する。 挙動: 不動点 周期的 "複雑" カオス0 ウルフラムのクラス: クラス I ⇒ クラスII ⇒ クラスIV ⇒ クラスIII0 λ パラメータ: 0 λc ただし、上記の区分は k や ρ が大きな値のときは良く機能するが、小さいときはあまりうまく働かない。 このように、クラスIVはカオス的・ランダム的振る舞いと秩序的・静的振る舞いの境界に存在し、この領域を「カオスの縁」と呼ぶ。
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セル・オートマトン
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2進数での写像は、en:Wolfram codeのen:Rule 102という形で、セル・オートマトンとして認識されている。またこれは、Martin-Odlyzko-Wolfram 図を通じて、en:Rule 90とも関連性を持つ。 en:Rule 102はシェルピンスキーのギャスケットを再生する。
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セル・オートマトン
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セル・オートマトンの問題にもパズル的なものがある。例えば「一斉射撃問題」など。
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