スタジオ間の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 02:29 UTC 版)
「Anthem (ゲーム)」の記事における「スタジオ間の問題」の解説
バイオウェアにはいくつかのスタジオがあり、『ME』3部作や『DA』を開発したエドモントン、MMORPGの『Star Wars: The Old Republic(以下、『SW:TOR』)』を開発するため設立されたバイオウェア・オースティン(以下、オースティン)、『ME:A』を開発したバイオウェア・モントリオール、BioWare Mythicなどがある。この中で本社もあるエドモントンは、「自分たちがオリジナルのバイオウェアだ」という意識があり、他のスタジオを見下すような傾向があったという。 『SW:TOR』を開発した後、オースティンはいくつかの独自プロジェクトを開始した。しかしそれらは2014年末までに全てキャンセルされ、バイオウェアは「One BioWare」と呼ばれるイニシアチブを制定した。これはすべてのスタジオが連携して動けるようにする計画だった。オースティンのスタッフの多くは『DA:I』のダウンロードコンテンツや『ME:A』の開発に移った。ソダーランドが新たなデモを要求していた2017年初頭には、オースティンのスタッフのほとんどは『Anthem』に加わり、ほぼ全ての部門をサポートしていた。『Anthem』開発におけるエドモントンでのヴィジョンの欠如は、オースティンではさらに顕著になり、開発者たちはこれがどういうゲームなのかもよく分からず、苦労の一つとして「コンセプトが理解できていなかった」ことを挙げている。 オースティンのスタッフたちは、エドモントンが考えたことを実行するだけのように感じており、それが両スタジオ間に緊張をもたらしていた。MMORPG開発の経験があるオースティンにとって「これはうまく行かない」と感じたことをエドモントンに上げても、無視されたりやめさせられたことがあったという。これはシングルプレイRPGを作ってきたエドモントンとの文化の違いからとされる。2017年のE3後にある程度ヴィジョンが見えてきた頃でも、何か決めて作ろうとはならなかったという。 新しいシナリオディレクター、ジェイムズ・オーレンの下ではストーリーはまだ流動的で、ミッションや戦利品にエグゾスーツなどのシステムも確定しておらず、特にデザインが遅れていた。2017年の夏頃には、バイオウェアのベテラン開発者たちがスタジオを離れ始め、リードデザイナーだったコリー・ガスパーが若くして死去し、この部門に大きな穴を残すことになった。セーブやロードなどの核となる機能もまだ実装されておらず、試作版はバグだらけでプレイするのも困難だった。6月には本格製作に移行するはずだったが8月になっても進まず、何かが間違っているのは多くの人にも明らかだった。宣言していた2018年秋の発売はもう現実的ではなく、EAも会計年度末の2019年3月より発売が遅れることは認めなかった。あまりの開発の遅れは、2019年初頭に当初の高い目標を満たすどころか、発売することすら不可能に思え、何かを変えることが必要だった。
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