ジェリー伊藤とは? わかりやすく解説

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ジェリー伊藤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 15:49 UTC 版)

ジェリー いとう
ジェリー 伊藤
本名 ジェラルド・タメキチ・イトウ
生年月日 (1927-07-12) 1927年7月12日
没年月日 (2007-07-08) 2007年7月8日(79歳没)
出生地 アメリカ合衆国ニューヨーク州
死没地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
職業 歌手俳優
活動期間 1957年 - 1997年
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ジェリー 伊藤 ジェリー いとう[1][2]1927年昭和2年〉7月12日[1][3] - 2007年平成19年〉7月8日[3])は、日本歌手俳優アメリカ合衆国ニューヨーク生まれ[1]。本名ジェラルド・タメキチ・イトウ[4][2]

来歴・人物

で活躍した日本人ダンサー・振付師である伊藤道郎の次男[注釈 1]。母親のヘイゼル(Hezel Wright)は道郎のダンサー仲間で、ジェリーのほかに長男ドナルドをもうけた[6][7]。俳優で演出家千田是也に当たる[1][5][2]。祖父の伊藤為吉服部時計店銀座)などの設計を担当した建築家として知られる。自身の妻は日本舞踊家の花柳若奈(本名:伊藤栄)[4]で、作家山口瞳の妹。1970年代に活躍した歌手のデイビッド&ミシェルは、ジェリーと若奈の子供である。

生まれてすぐロサンジェルスに転居、真珠湾攻撃勃発により父親がスパイ容疑で収監され、ジェリーらはニューヨークの母方の親戚宅に身を寄せた[8]。父親はミズーラ (モンタナ州)司法省のキャンプに2年間留置されたのち、日本に送還され、音信不通となった[8]。戦後すぐアメリカ海兵隊員として来日して父親探しを始め、GHQの劇場で働く父親と再会した[8]。ニューヨークに戻りニュースクール大学の演劇を学び、"All the President's Men"でブロードウェイデビューしたが、朝鮮戦争で再び従軍、1950年代に再来日して花柳若奈と結婚した[8]。若菜とは父を通してニューヨークで知り合っていた[8]

モスラ』の悪役など多くの映画やテレビドラマ、さらにはCMミュージカルなどでも活躍した[1]

1995年からNHK教育テレビ『英語であそぼ』(現『えいごであそぼ』)の第3シリーズに出演したが、3年間続いた同シリーズ最終年度に入る直前の1997年脳溢血で倒れ、途中降板。但し、オープニングをはじめ1996年度までに収録された映像は継続して使用された為、1997年度も正式な出演者として扱われていた。

晩年はアメリカで生活していたが、ゴジラ関連のイベントで共演した小泉によれば伊藤は日本を懐かしがっていたという[9]

2007年7月8日午前8時(日本時間同日深夜)、肺炎のためロサンゼルス市内の自宅で死去。79歳没[4]。墓所は染井霊園

エピソード

トワ・エ・モワ越路吹雪の歌唱で知られる「誰もいない海」は、1967年NET木島則夫モーニングショー』に出演していた伊藤の「今週の歌」のために書かれた曲である。

モスラ』の監督を務めた本多猪四郎は、伊藤は日本語がうまくなかったが、脚本を読むのには不自由はなかったという[5]。同作品の企画時に、アメリカ側からハーフである伊藤がアメリカ人に見えないとの意見が挙がったが、本多は日本語がわかることを理由に伊藤を推したという[5]

『モスラ』で共演した小泉博は、伊藤について人懐っこく誰にでも話しかけて友達になる性格であったと証言しており[9]、小泉とも同作品で仲良くなったという[9][10]。子役として同作品に出演した田山雅充も、伊藤は明るく、共演者の中村哲とともによく冗談を言っていたと述懐している[11]

出演作品

映画

テレビドラマ

教養番組

  • 英語であそぼ 第3シリーズ「プラネット・パラダイス」(1995年 - 1998年) - グランパ・ジェリー

CM

  • 資生堂男性用化粧品(初代男性モデル)

脚注

注釈

  1. ^ 本多猪四郎は、父親を道郎の弟である伊藤熹朔と誤認していた[5]
  2. ^ クレジットは「ジェリー・イトウ」。

出典

  1. ^ a b c d e f 東宝特撮映画全史 1983, p. 530, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  2. ^ a b c d e ゴジラ大百科 1993, p. 121, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  3. ^ a b c d 野村宏平、冬門稔弐「7月12日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、188頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  4. ^ a b c “俳優、歌手のジェリー伊藤さん死去”. asahi.com. (2007年7月10日). http://www.asahi.com/culture/stage/theater/JJT200707090009.html 2009年7月1日閲覧。 
  5. ^ a b c d 「本多猪四郎監督 長編インタビュー(1)」『モスラ / モスラ対ゴジラ』東宝出版事業室〈東宝SF特撮映画シリーズVOL.2〉、1985年1月1日、148-149頁。 ISBN 4-924609-04-8 
  6. ^ "Michio Ito: The Dancer and His Dances"Helen Caldwell, University of California Press, 1977, p91-97
  7. ^ Vaner Kingancestry
  8. ^ a b c d e New Legs for a LegendLos Angels Times, March 24, 1998 
  9. ^ a b c モスラ映画大全 2011, p. 19, 聞き手・友井健人「インタビュー 俳優 小泉博」
  10. ^ 別冊映画秘宝編集部 編「小泉博(構成・文 浦山珠夫/『映画秘宝』2010年4月号掲載)」『ゴジラとともに 東宝特撮VIPインタビュー集』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年9月21日、23頁。 ISBN 978-4-8003-1050-7 
  11. ^ モスラ映画大全 2011, p. 51, 聞き手・友井健人「インタビュー 子役 田山雅充」
  12. ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 536, 「主要特撮作品配役リスト」

参考文献

  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。 ISBN 4-924609-00-5 
  • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。 
  • 『別冊映画秘宝 モスラ映画大全』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年8月11日。 ISBN 978-4-86248-761-2 

外部リンク


ジェリー伊藤 (1971)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:37 UTC 版)

誰もいない海」の記事における「ジェリー伊藤 (1971)」の解説

誰もいない海作詞山口洋子訳詞:ジェリー伊藤、作曲内藤法美編曲服部克久 ※3コーラス目はジェリー伊藤による英語詞になっているサヨナラ訳詞山上路夫作曲:ジャック・ルボー、編曲服部克久

※この「ジェリー伊藤 (1971)」の解説は、「誰もいない海」の解説の一部です。
「ジェリー伊藤 (1971)」を含む「誰もいない海」の記事については、「誰もいない海」の概要を参照ください。

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