シモノフM1936半自動小銃の登場
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世界初の突撃ライフルであったフェドロフM1916は、生産は行っていたがロシア革命でドイツとの講和が成立したため、実戦投入の機会は無かった。そのため、軍部内でもこのフェドロフM1916もあまり注目されることがなく、そのまま銃器史の中に埋もれてしまった。 当時、その腕をフョードロフに見出された青年銃技師セルゲイ・シモノフは、フェドロフM1916の開発にライフル試作部の一員として参加していた。そして、1930年頃に試作品が完成、その後改良を重ね1936年にシモノフM1936半自動小銃、別名 AVS(シモノフ自動銃の略)の名前でソ連軍に正式採用された。 当初は半自動(セミオートマチック)と全自動(フルオートマチック)の両方を切換機により制御できる小銃として開発を進めていたが、結局フルオート時では反動が強いため銃のぶれが大きく使えないという理由から、量産型では全自動機能は除外されてしまった。 特徴としては、ガス圧作動式を採用し、銃身の中間あたりの上の部分に穴を空け、そこから発射ガスを導く方式を採用している。使用弾薬は7.62x54mmR弾を使用し、銃剣を装着する事ができた。また、発射時に発射ガスを上に逃がし、コンペンセイター(反動制退器)やフラッシュハイダー(消炎器)を兼ねた機能が銃口に施されている。 弾薬は赤軍(ソビエト連邦軍の前身)の主力小銃であるモシン・ナガンと共通の7.62x54mmR弾が使用された。この弾薬は19世紀に開発された比較的古いもので、リム付きの薬莢を使用していたため、薬室に押しこむ際や発射後に薬室から薬莢を抜き取る際に余計な出っ張りとなり、そのことが原因で薬室内に弾薬が詰まるといった動作不良を度々起こした。作動方式はガス圧作動式であるが、ボルトハンドルが発射のたびに前後に動くため、射手にとっては危険であった。このことから、赤軍内でのシモノフM1936の動作などの信頼性は下がってしまった。
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