シェールガス
世界のエネルギー勢力図を塗り替えるのではないか-。中東やロシアなど従来の石油・天然ガス産出国を揺るがす存在として、新たな天然ガス「シェールガス」が注目を集めています。
シェールガスは泥土が堆積して固まった頁岩(けつがん=シェール)の割れ目にたまっている天然ガス。地中深い頁岩層に沿って横方向へ井戸を伸ばし、超高圧水を注入する採掘技術が米国で確立され、ここ数年で資源開発が一気に進みました。日本企業も権益確保に動き出しています。
シェールガスは米国で少なくとも約500兆立方フィート、世界では3000兆立方フィートを超す埋蔵量があると見られています。縦井戸を掘って自噴させる在来型の天然ガス埋蔵量の半分程度に相当し、地域がいわゆる産油・産炭国に偏っていないのも特徴。
シェールガスの資源開発とともに、米国の液化天然ガス(LNG)輸入が減少し、その分が欧州のスポット市場に流れ込んで相場は大きく下落しました。特定の産出国が価格支配力を持つ構図を崩し、売り手市場から買い手市場へと変質させつつあるのです。
米国エネルギー省はガス需給見通しで、2025年における消費量の28%をLNG輸入で賄うと予測していましたが、シェールガスの資源開発が急ピッチで進んでいる状況を踏まえて大幅な見直しを実施。2035年でも6%程度にとどまる見通しです。エネルギー消費大国の米国がガス自給へと歩み始め、そのインパクトの大きさから「シェールガス革命」ともいわれます。
この“革命”をビジネスチャンスととらえ、日本の総合商社も相次いでシェールガス開発事業への投資を決めました。
日本企業として初めて名乗りをあげたのは住友商事。昨年12月、米テキサス州のガス開発会社から権益を取得したのに続き、今年9月にはペンシルベニア州でも権益を取得して事業拡大の姿勢を強めました。総投資額は1500億円にのぼる見込みです。同州では今年2月、三井物産が三井石油開発と共同で権益を取得済み。最大で総投資額4500億円弱を見込んでいます。
また、双日は2007年に取得したテキサス州の天然ガス鉱区の深層部にシェールガスがあることを確認。今年6月、採掘により産出量を倍増させると発表しました。今年度は約30億円を投資する計画です。一方、三菱商事は8月にカナダでのシェールガス開発プロジェクトに50%参画することを決めたほか、提携関係にある韓国ガス公社と豪州などでもシェールガスをはじめとする非在来型ガス資源開発の可能性を探っています。
欧州でもシェールガス資源開発の動きが目立ってきましたが、日本は地質年代が新しいため、残念ながら期待薄だそうです。
(掲載日:2010/11/29)
シェールガスは泥土が堆積して固まった頁岩(けつがん=シェール)の割れ目にたまっている天然ガス。地中深い頁岩層に沿って横方向へ井戸を伸ばし、超高圧水を注入する採掘技術が米国で確立され、ここ数年で資源開発が一気に進みました。日本企業も権益確保に動き出しています。
シェールガスは米国で少なくとも約500兆立方フィート、世界では3000兆立方フィートを超す埋蔵量があると見られています。縦井戸を掘って自噴させる在来型の天然ガス埋蔵量の半分程度に相当し、地域がいわゆる産油・産炭国に偏っていないのも特徴。
シェールガスの資源開発とともに、米国の液化天然ガス(LNG)輸入が減少し、その分が欧州のスポット市場に流れ込んで相場は大きく下落しました。特定の産出国が価格支配力を持つ構図を崩し、売り手市場から買い手市場へと変質させつつあるのです。
米国エネルギー省はガス需給見通しで、2025年における消費量の28%をLNG輸入で賄うと予測していましたが、シェールガスの資源開発が急ピッチで進んでいる状況を踏まえて大幅な見直しを実施。2035年でも6%程度にとどまる見通しです。エネルギー消費大国の米国がガス自給へと歩み始め、そのインパクトの大きさから「シェールガス革命」ともいわれます。
この“革命”をビジネスチャンスととらえ、日本の総合商社も相次いでシェールガス開発事業への投資を決めました。
日本企業として初めて名乗りをあげたのは住友商事。昨年12月、米テキサス州のガス開発会社から権益を取得したのに続き、今年9月にはペンシルベニア州でも権益を取得して事業拡大の姿勢を強めました。総投資額は1500億円にのぼる見込みです。同州では今年2月、三井物産が三井石油開発と共同で権益を取得済み。最大で総投資額4500億円弱を見込んでいます。
また、双日は2007年に取得したテキサス州の天然ガス鉱区の深層部にシェールガスがあることを確認。今年6月、採掘により産出量を倍増させると発表しました。今年度は約30億円を投資する計画です。一方、三菱商事は8月にカナダでのシェールガス開発プロジェクトに50%参画することを決めたほか、提携関係にある韓国ガス公社と豪州などでもシェールガスをはじめとする非在来型ガス資源開発の可能性を探っています。
欧州でもシェールガス資源開発の動きが目立ってきましたが、日本は地質年代が新しいため、残念ながら期待薄だそうです。
(掲載日:2010/11/29)
このページでは「産業・環境キーワード」からシェール・ガスを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からシェール・ガスを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からシェール・ガス を検索
Weblioに収録されているすべての辞書からシェール・ガスを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からシェール・ガス を検索
- シェール・ガスのページへのリンク