シェーファーとベネディクトとは? わかりやすく解説

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シェーファーとベネディクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 16:49 UTC 版)

シナ・チベット語族」の記事における「シェーファーとベネディクト」の解説

公共事業促進局助成を受け、1935年人類学者アルフレッド・L・クローバーカリフォルニア大学バークレイ校においてシナ・チベット語文献学プロジェクトを立ちあげた。このプロジェクト1938年までロバート・シェーファーが、それ以降ポール・K・ベネディクト監督した。シェーファーとベネディクトの指導の下、言語学専門としない30人メンバー入手できるかぎりのシナ・チベット語文献収集したその結果15巻からなるタイプ原稿の「シナ・チベット語言語学」にまとめられ、8部が作られた。この書物出版されることはなかったが、その後シェーファー論文シェーファーによる5巻の『シナ・チベット語入門』、およびベネディクトの『シナ・チベット語概要』を書くためのデータとして使われた。 ベネディクトは『シナ・チベット語概要』の原稿1941年には書きあげていたが、出版されたのは1972年だった。ベネディクトシナ・チベット語族の完全な系統図を描くかわりに5つ主要な言語比較によってチベット・ビルマ祖語構築した(ときに別の言語比較使用した)。ベネディクト音節頭子音として有声無声2つ系列認めた無気音帯気音区別チベット語には残っているが他の大半言語失われた子音連結から発生した考えた。したがってベネディクトによる音節頭子音再構は以下のようになるTBチベット語チンポー語ビルマ語ガロ語ミゾ語スゴ・カレン語上古中国語*k k(h) k(h) ~ g k(h) k(h) ~ g k(h) k(h) ~ h *k(h) *g g g ~ k(h) k g ~ k(h) k k(h) ~ h *gh *ŋ ŋ ŋ ŋ ŋ ŋ y *ŋ *t t(h) t(h) ~ d t(h) t(h) ~ d t(h) t(h) *t(h) *d d d ~ t(h) t d ~ t(h) t d *dh *n n n n n n n *n ~ *ń *p p(h) p(h) ~ b p(h) p(h) ~ b p(h) p(h) *p(h) *b b b ~ p(h) p b ~ p(h) p b *bh *m m m m m m m *m *ts ts(h) ts ~ dz ts(h) s ~ tś(h) s s(h) *ts(h) *dz dz dz ~ ts ~ ś ts tś(h) f s(h) ? *s s s s th th θ *s *z z z ~ ś s s f θ ? *r r r r r r γ *l *l l l l l l l *l *h h ∅ h ∅ h h *x *w ∅ w w w w w *gjw *y y y y tś ~ dź z y *dj ~ *zj 同系語の音節頭子音同一調音位置調音方法を持つ傾向があるが、無声有声および無気帯気の別はしばし予想できない。この不規則性ロイ・アンドリュー・ミラー攻撃するところになった。一方ベネディクト説の支持者はこの問題接頭辞脱落したことに求めた。この問題は現在にいたるも解決していない。現在もシナ・チベット語族存在認めない数少ない学者ひとりであるクリストファー・ベックウィズ英語版)は、この問題と、共通シナ・チベット語形態論再構できないこと多く共通語彙が中国語からチベット・ビルマ語族への借用語であることを論拠としてあげている。

※この「シェーファーとベネディクト」の解説は、「シナ・チベット語族」の解説の一部です。
「シェーファーとベネディクト」を含む「シナ・チベット語族」の記事については、「シナ・チベット語族」の概要を参照ください。

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