サーミの社会とは? わかりやすく解説

サーミの社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 21:30 UTC 版)

サーミ人」の記事における「サーミの社会」の解説

サーミとは決しトナカイ遊牧専業の民のみを指すのではない。それらの民はサーミ全体わずかに過ぎずトナカイ遊牧以外の生活様式持った人々のほうが多い。 サーミは、大きく分けて五種類の生活様式分類できる山岳サーミ人 大規模なトナカイ遊牧専業とする人々。「サーミ人」と聞いて連想されるのはこの系統人々であり、北欧諸国観光資源として活用しているサーミ人イメージもこれが元となっている。もっとも、現在ではトナカイ遊牧のみを職業としている人は皆無等しく、その他副業として第一次産業ついている人がほとんどである。 海岸サーミ人 サガ描かれ交易の民とは彼らのことを指した思われるが、現在では他のスカンディナヴィア人と変わらない生活を送っており、その生計中心漁業含めた第一次産業第三次産業にある。 森林サーミ人 小規模トナカイ放牧行う人々で、漁業農業やその他第三次産業との兼業主としている。山岳サーミ人森林サーミ人における違いは、その飼育するトナカイの種の違いから来ている。山岳サーミ人飼育するトナカイ広大な牧草地とそれに伴う長距離移動必要な種であるが、森林サーミ人飼育しているのは、森林周辺生え地衣類主食とし、大規模な移動を必要としない種である。 河川サーミ人と湖サーミ人 この2つの間に明確な違いはない。ただ、漁業主とする人々であることが共通している。この二つ分け要素は、その漁場違いである。「湖サーミ人(イナリラップ)」は、フィンランド最北部に位置するイナリ湖漁業行う人々1996年現在でおよそ20程度)を特に指し、「河川サーミ人」はその他大小の川で漁を行う人を指す。 このように多様な生活様式を持つサーミ民族であるが、以下で本来のサーミ民族社会について説明するサーミ民族社会支配していたのは、シイーダ (Siida) と呼ばれる多数親族からなる集団であった。 シイーダのリーダーはそのシイーダ内の最年長男性もしくは女性勤め日々の生活、つまり、いつトナカイ移動させるか、どのメンバーがどこの湖で漁をするか、どれだけ採るかといったことを決定したトナカイを飼うサーミ人場合、シイーダの構成員それぞれ各自トナカイ所有しているが、飼育や管理共同行っている。また漁業を行うサーミ人のシイーダは同じ漁船乗る男たちによって構成されている。このような組織広大な土地小人数管理する際の有効な手段として開発され長い歴史の中で発展したのだった。また異なるシイーダ間においても長老同士が、様々な問題解決するための一種協議会形成していた。

※この「サーミの社会」の解説は、「サーミ人」の解説の一部です。
「サーミの社会」を含む「サーミ人」の記事については、「サーミ人」の概要を参照ください。

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