サブカルチャー、ファッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 07:32 UTC 版)
「人民服」の記事における「サブカルチャー、ファッション」の解説
これら中国と政治体制が共通する国々の服装だけでなく、「紅衛兵」の写真や映像とともに伝えられた人民服姿の人々のインパクトは、1960年代後半に、先進工業国や第三世界において発生した反抗的なサブカルチャーの動きの中で、ライフスタイルのラディカルな変革を示す一種の「記号」となり、さらにはファッションやステージ衣装にも影響を与えた。 イアン・フレミング原作の映画『007シリーズ』の悪役エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドは6作目の『女王陛下の007』で立襟のマオカラースーツになるまで人民服を着ていた。 ジャン=リュック・ゴダールが監督した1967年のフランス映画『中国女』では、毛沢東思想に共鳴して共同生活を営む若い男女のグループが、人民服を思わせる青い折り襟の服と帽子を着用した姿で登場する 。 日本ではイエロー・マジック・オーケストラが赤い人民服風の服を着て話題になり、彼らのシンボルとなった。高橋幸宏は人民服ではなく、明治時代のスキーウェアがモチーフと主張しているが、ジャケット写真やライブでは赤い星のマークのついた人民帽までかぶっている。メンバーでファッション・デザイナーでもある高橋幸宏のデザインと云われている。 アフリカの独立運動の父とも呼ばれるガーナの初代大統領クワメ・エンクルマは訪中した際に人民服に惹かれて中国に特注して周恩来から贈られ、アフリカの伝統的な民族衣装とともに外遊などの際に愛用 した。これを機に1960年から1970年代までザンビアのケネス・カウンダ大統領の「カウンダスーツ」 やタンザニアのジュリウス・ニエレレ大統領の「タンザニアスーツ」 など人民服に似たデザインのファッションがアフリカで流行し、ザイール(現在のコンゴ民主共和国)の独裁者であったモブツ・セセ・セコは訪中から帰国後に独自のアバコスト(英語版)をつくり始めた。 台湾では羅大佑が、中国大陸の政治情勢などを揶揄した曲のプロモーションビデオの中で何度か着用した。 ドラゴンボール、らんま1/2など、登場人物や設定に中国的な要素の強い漫画やアニメーションにおけるキャラクターの服装としても用いられた。
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