コンサーティーナの製造元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 23:25 UTC 版)
「コンサーティーナ」の記事における「コンサーティーナの製造元」の解説
コンサーティーナは、大手楽器メーカーのブランドを冠したOEM品を含めて、家内制手工業的に職人(ビルダー)の工房で作られることが多い。ビルダーの個人名がそのままブランド名となる例も少なくない。 コンサーティーナについては(バンドネオンも同様だが)、製作年代が古くても調律やメンテナンスがしっかりした高級モデルが今も流通している。ヴィンテージ・モデルのコンサーティーナの老舗メーカー(廃業、消滅したメーカーも含む)は以下のとおり。 ホイートストン(Wheatstone) - 1750年に創業し、音楽出版やさまざまな楽器を製造していた。1829年、一族の一員である物理学者チャールズ・ホイートストン卿がコンサーティーナを発明した。1950年代に Boosey & Hawkins に買収される前のヴィンテージ・モデルは評価が高い。 ラシュナル(英語: Lachenal & Co.) - 1850年ごろから1936年までコンサーティーナを製造。「ラケナル」と呼ぶ人もいる。 ジェフリーズ(Jeffries) - チャールズ・ジェフリーズ(Charles Jeffries,1841–1906)のメーカー。 ジョーンズ(Jones) - アングロ・コンサーティーナの発明者の親子に由来するメーカー。 クラブ(Crabb) - H.クラブと息子によるメーカー。 その他がある。ヴィンテージ・モデルのコンサーティーナは、製作時期や保存状態により品質の当たり外れが大きいため、購入する場合は注意を要する(同じメーカーでも第二次世界大戦後のモデルは品質が落ちたケースもあり、一概に新しいモデルほど良いとは言えない)。 以下は、現在も新品を製造しているメーカーないしビルダーの一部である。 バスターリ(Bastari) イタリア - 日本国内で最も普及しているコンサーティーナのブランドで、現在の製造元はファブリカ・コンチェルティーネ(Fabbrica Concertine イタリア語で「コンサーティーナ(複数形)製作所」の意)。バスターリの工房が1992年に Brunner Musica こと Stagi(スタジ)社に買収されたあとは、海外では「Stagi」ブランドで販売しているが、日本向けには今も「バスターリ」ブランドで流通している(輸入代理店など販売経路によっては日本国内でも「スタジ」ブランドになる)。 スタジ(Stagi) イタリア - バスターリ(Bastari)を参照。 ロッシェル(Rochelle) 米国 - 主に廉価版の普及品を製作。 マクニーラ(McNeela) アイルランド エジリー(Edgley) カナダ - 日本のアイリッシュ音楽奏者の間でも人気が高い。 ハリー・ゲウンス(Harry Geuns) ベルギー - コンサーティーナとバンドオネン(オーソドックスなタイプと、3列クロマチック配列の独特のハイブリッド・バンドネオン)を製作・販売。 テドロー(Tedrow) 米国 A P ジェームズ(Anthony P James) 英国 - 工房での製作行程をYouTube動画で公開中。 ディッパー(Dipper) 英国 ワッカー(Wakker) 米国 ズットナー(Suttner) ドイツ ギス・マンス(Gys Mans) 南アフリカ共和国 ウォルバートン(Wolverton) 英国 他多数 コンサーティーナの製造元は欧米に集中している。中国製もあるが、その品質についての評価は必ずしも高くない。
※この「コンサーティーナの製造元」の解説は、「コンサーティーナ」の解説の一部です。
「コンサーティーナの製造元」を含む「コンサーティーナ」の記事については、「コンサーティーナ」の概要を参照ください。
- コンサーティーナの製造元のページへのリンク