グリシドール脂肪酸エステル
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「エコナ」の記事における「グリシドール脂肪酸エステル」の解説
ウィキニュースに関連記事があります。花王、食用油「エコナ」シリーズの全商品出荷停止へ 発がん性指摘で (2009年9月17日) 2009年7月に厚生労働省から、体内で発がん性物質に変わる懸念が指摘されるグリシドール脂肪酸エステルが、エコナに高濃度で含まれることが報告され、エコナの発がん性を中心に安全性が審議される。 グリシドール脂肪酸エステルの毒性や体内動態などは明確ではないが「エコナ摂取時に体内吸収されるグリシドール脂肪酸エステルが、すべて発がん性物質グリシドール(Glycidol、2,3-エポキシ-1-プロパノール)に変換されると仮定すると、健康上の危惧が無いとは言えない」とする意見が専門委員から提出された。健康上の危惧が無いと考えられる margin of exposure (MoE) 値は10000とする見解があるが、グリシドールについての動物実験の結果に加えて、グリシドール脂肪酸エステルからグリシドールへの変換が100パーセントと仮定した場合、エコナのMoE値は約250と産出され、健康上の危惧が無いと考えられるMoE値から約40倍の隔たりがある。数倍の誤差の可能性を見込んでも、食品安全委員会としてはDAG油を主たる油脂として日々摂取する国民においては、健康上の危惧が存在しないとはいえない、と指摘される。2009年12月現在で厚生労働省はグリシドール脂肪酸エステルの毒性などを検討している。 2009年9月11日に、消費者団体の主婦連合会が消費者庁、厚生労働省、花王に対し、エコナの特定保健用食品としての認可取消しや、安全性が確保されるまで一時的に販売を停止するよう求める要望書の提出を行った。 総トランス脂肪酸が他の食用油より多く、5.2%含まれる。 花王はこのような動きと、グリシドール脂肪酸エステルの安全性に対する懸念や不安を持つ声が一部の消費者からも挙がっていることを受け、9月16日、グリシドール脂肪酸エステルが一般食用油と同等レベルに低減されるまでの当分の間、「エコナ」全商品並びにジアシルグリセロールを含有するドッグフード「ヘルスラボ」全商品の販売中止並びに出荷停止、更には自主回収を決定した。同社は11月上旬を目処にグリシドール脂肪酸エステルの低減目標値までの引き下げを達成し、2010年2月の販売再開を目指すと広報を通じ表明したものの、2014年3月現在再開の目処が立っていない。
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