グラン・コンフォール (Grand Confort)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 06:49 UTC 版)
「TEE」の記事における「グラン・コンフォール (Grand Confort)」の解説
1960年代にフランス国内の列車の高速化と居住性の向上を主な目的として開発された車両である。車内は1964年製のPBA形とほぼ同じであるが、窓やドアの断熱、防音性能が改善されている。最高速度は200km/h。車体は耐候性鋼製で、側面が曲面状になっているのが大きな特徴である。これは曲線部分の通過速度を上げるため車体傾斜機能を持たせようとしたためである。ただし車体傾斜機能そのものは、運用を想定されている路線では時間短縮効果が少なく割に合わないとして見送られた。 グラン・コンフォール客車は本来TEE用ではなく、1970年にエタンダール(パリ - ボルドー)で使用を始めた際にはこの列車はまだTEEではなかった。このため塗装はTEE標準色ではなく、灰色地に窓部分が赤帯の「グラン・コンフォール」塗装であった。1970年の冬ダイヤ改正から、グラン・コンフォール客車を用いるフランス国内列車をTEEに加えるようになり、まずル・キャピトール(パリ - トゥールーズ)が客車の更新とともにTEEとなった。その後パリを起点に南西(ボルドー、トゥールーズ)方面、東(ストラスブール)方面、西(ナント)方面のフランス国内TEEに用いられた。1973年になって窓の上にTRANS EUROP EXPRESSの文字も取りつけられた。 車両の内訳は以下の通り。 一等コンパートメント車(A8u) : 40両 一等開放座席車(A8tu) : 21両 + 13両(1973年以降増備) 食堂車(Vru) : 10両 一等開放座席・バー合造車(A3rtu) : 6両 一等開放座席・荷物・電源車(A4Dtux) : 13両 1981年以降、一部は二等車に改造されている。1989年のジュール・ヴェルヌ(パリ - ナント)の廃止とともにTEEでの運用を終え、その後は国内の一般列車やルクセンブルクへのユーロシティに用いられた。1999年に営業運転を終了している。
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