グストロフ社の国民突撃銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 05:24 UTC 版)
「国民突撃銃」の記事における「グストロフ社の国民突撃銃」の解説
ウィキメディア・コモンズには、VG 1-5に関連するメディアがあります。 一方、グストロフ社(ドイツ語版)では、1944年の簡易武装計画に基づく国民突撃銃として、自動小銃を設計した。設計責任者はグストロフ社のカール・バルニツケ技師(Karl Barnitzke)である。VG-45の生産は1945年1月から終戦まで続き、およそ1万挺ほどが製造されたとされる。 この小銃はSelbstladegewehr(自動装填小銃)、Selbstladekarabiner(自動装填騎銃)、Volkssturmgewehr 1-5(国民突撃銃 1-5)、Volkssturm-Maschinenpistole45(国民突撃短機関銃45)、Gustloffvolkssturmgewehr(グストロフ国民突撃銃)、Volkssturm-Selbstladegewehr, Gustloff-Werke(グストロフ製国民突撃自動装填小銃)、Selbstlader mit Kurzpatrone 44(44年式短小弾自動装填銃)、Versuchsgerät 1-5(実験機材1-5)などと呼ばれた。 この銃はStG44突撃銃と同様の7.92x33mmクルツ弾を使用し、着脱式弾倉も同一の物(10発入り・30発入り)を使用した。バルニツケ・システムと呼ばれるガス遅延ブローバック機構を採用しており、この構造は後にH&K P7拳銃などで使用された。 「ブローバック#ガス遅延式」も参照 VG-45の構造は、同時期の自動小銃よりも、むしろ自動拳銃や短機関銃(Maschinenpistole. マシーネンピストーレ)に近く、バレルジャケットの内側にはバレルを芯にする様にバネが内蔵されており、射撃時にはバレルジャケット全体が後退・前進する。銃尾部はファイアリングピンやエキストラクターと共にバレルジャケット後部に固定されている。銃の後端にある機関部はユニット化され、全体をレシーバーから取り外すことができる。機関部の上部はバレルジャケット後部のカバー兼ガイドとして機能し、下部にはハンマーやシア及びトリガーが組み込まれている。バレル先端近くには4つのガス孔が開けられ、ここから流入した発射ガスによってバレルジャケットの後退が阻止され、弾丸が銃口を離れてガス圧が低下するまではボルトの閉鎖が維持される。 VG-45は、基本的に半自動(セミオート。装填と排莢だけ自動で、一発ずつ引き金を引いて射撃する)だが、中には少数ながらセレクティブ・ファイア機構を搭載したものもあったとされる(「前期型は半自動(セミオート)だが、後期型は全自動(フルオート)も可能になった」という言い方もされる)。 バリエーションとして、前床にピストルグリップ状のフォアグリップが付き、後床の形状が微妙に違う、「MP508」も存在した。
※この「グストロフ社の国民突撃銃」の解説は、「国民突撃銃」の解説の一部です。
「グストロフ社の国民突撃銃」を含む「国民突撃銃」の記事については、「国民突撃銃」の概要を参照ください。
- グストロフ社の国民突撃銃のページへのリンク