クロアチア人による地政学的評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 02:22 UTC 版)
「大クロアチア」の記事における「クロアチア人による地政学的評価」の解説
セルビアとクロアチアの間でかつてより問題となり、今なお[いつ?]問題となっている議論のひとつに、クロアチアの政治家、地政学者[誰?]の間で優勢となっているクロアチアの地政学的な立場がある。クロアチアの地政学的立場について、クロアチアの歴史家ヴィエコスラヴ・クライッチ(en)は「良く広げられたソーセージに似る」と説明された。 クロアチアの国土の形はバナナ、あるいはクロワッサンにたとえられる。クロアチアのこのような国土の形は、多くのクロアチア人[誰?]から生存・発展の余地のないものと言われる。アントゥン・ラディッチ(en)はこのことについて以下のように述べた。 ダルマチアと統合されたクロアチアの形は、パンの外皮のようだ。そして、そこから切り取られる中身は、クロアチアのパンから切り取られたボスニア・ヘルツェゴビナである。我々が満足に食べることを望むならば、パンの柔らかな中身、すなわちボスニア・ヘルツェゴビナが必要である。 またアントゥンの兄弟のスティエパン・ラディッチ(Stjepan)は、「ボスニアはクロアチアの胃袋である。胃袋を切り取られて果たして生きていくことができようか。」と述べた。フラノ・スピロ(en)は、「ボスニアなきクロアチアは、こんにちの占領された(ボスニアなどの)領土を支配している者たちの手の内のおもちゃだ。」とした。 永続的な経済的・金銭的自立を勝ち取るためには、新たな領土を確保する必要があると、クロアチアの政治家たち[誰?]は考えている[いつ?]。Hrvatski dnevnikは1914年、「クロアチアは現在の大きさでは生き残ることはできない。なぜならクロアチアが経済的に自立するためには、より多くの領土が必要だからだ。」と書いている。 「Südland」「ユリチッチ博士(Dr. Juričić)」、「フロリアン・リヒトラガー(Florian Lichttrager)」の変名で知られるイヴァン・ピラル(en)は以下のように述べている。 地政学的な立場から言えば、ボスニア・ヘルツェゴビナなきクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国は、政治的にも経済的にも自身を維持する能力はない。ボスニアやダルマチアはクロアチアの自然的な一部であり、それらなきクロアチア・スラヴォニアのみの姿は不完全で生存不可能なものである。 非常に細長い姿をし、2方向へ伸びるクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国には(ダルマチアの一部ではわずか幅が数キロメートルである)、国家や政治機構のいかなる中心も存在できず、この形の国家にはいかなる未来も存在できない。我々の見解として、1878年以前に沸き起こったイリュリア運動(en)やユーゴスラビア運動の頃、より大きな国家の枠組みを求めたのはこのこと故である。クロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国が自身を維持してくことができるのは、ボスニア・ヘルツェゴビナを併合したときだけだ。クロアチアの人々はこの細長い国土で自身を維持していく希望をほとんど見出せず、ボスニア・ヘルツェゴビナはクロアチアの国家生存と政治的発展のための基本条件である。クロアチア・スラヴォニア・ダルマチアの国土のみではクロアチア人はその日暮らしであり、ボスニア・ヘルツェゴビナを得て初めて完全な生活をできる。 ピラルによれば、「クロアチア・スラヴォニア・ダルマチアは殻」、「ボスニア・ヘルツェゴビナは核である」とされ、総じてこの種の主張には同様の論理が用いられている。
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