クリストファー・ゲイブルとは? わかりやすく解説

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クリストファー・ゲイブル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/02 01:26 UTC 版)

クリストファー・ゲイブル
CBE
原語名 Christopher Gable
生誕 Christopher Michael Gable
(1940-03-13) 1940年3月13日
 イギリスロンドン
死没 1998年10月23日(1998-10-23)(58歳)
 イギリスヨークシャー州 ハリファクス (イングランド)近郊
配偶者 キャロル・ニーダム
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クリストファー・マイケル・ゲイブル(Christopher Michael Gable, CBE1940年3月13日 – 1998年10月23日)は、イギリスバレエダンサー振付家、俳優である。

経歴

ダンサーとして

ロンドン生まれのゲイブルはロイヤル・バレエ学校で学び、1957年にサドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団(現在のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団)に入団した。1959年にはソリスト、1961年にはプリンシパルに昇格した。

ゲイブルはケネス・マクミラン版『ロメオとジュリエット』でロメオ役を振り付けられた[1](ただし初演は興行上の理由でルドルフ・ヌレエフがロメオを演じた)他、オッフェンバックオペレッタ地獄のオルフェ』のメルキュール役(映像化されDVDが入手可能)、『ラ・フィユ・マル・ガルデ』のコーラス役[2]などが知られる。フレデリック・アシュトンの『二羽の鳩』(1961年)でリン・シーモアと初めてパートナーを組んで以降たびたび共演した[3]

俳優として

ゲイブルは足の慢性リウマチに苦しんだことから1967年にロイヤル・バレエ団を退団し、俳優の道に進んだ[4]ケン・ラッセル監督のテレビ番組や映画多数に出演し、BBC映画『Song of Summer』(1968年)や『Dance of the Seven Veils』(1970年)の他、『恋する女たち』(1969年)、『The Music Lovers』(1971年)、『The Boy Friend』(1971年)、『白蛇伝説』(1988年)、『レインボウ』(1989年)などが有名である[1]。その他、1976年のミュージカル映画『シンデレラ』ではエドワード王子の友人・従者であるジョン役、1983年の映画『ワグナー』では作曲家ペーター・コルネリウス役、1983年にBBCが制作したテレビ版『地獄のオルフェ』でメルキュール役[5]、そして1984年の『ドクター・フー』のエピソード「アンドロザニの洞窟」で悪役のシャラズ・ジェクを演じた[6]。また、1974年にはウェスト・エンド・シアターのミュージカル『The Good Companions』にも出演している[7]

ダンスへの回帰

1982年、ゲイブルはアン・スタナードと共にセントラル・スクール・オブ・バレエを設立した[1]。その5年後には、ノーザン・バレエ・シアター(現ノーザン・バレエ団)の芸術監督となった[3]。ゲイブルは、想像力に富む新作を発表しつつ古典作品を印象的な演出でリバイバル上演することによって、地方の小バレエ団をイギリス国内でも有数のバレエ団に押し上げた。芸術監督を務めた11年間のうちに、『白鳥の湖』、『クリスマス・キャロル』、『The Brontes』、『The Amazing Adventure of Don Quixote』、『ドラキュラ』、『ジゼル』、『ノートルダムのせむし男』を演目に据えた[8]。ゲイブルが改訂・演出した作品には、アトランタ・バレエ団やロイヤル・ニュージーランド・バレエ団などで上演されたものもある。また、1984年のイギリスのTVシリーズ『A Woman of Substance』でアーサー・エインズリー役を演じている[9]

私生活

ダンサーのキャロル・ニーダムと結婚した[4]

ヨークシャー州ハリファクス近郊で、ガンのため58歳で亡くなった[10]

映画

タイトル
原題
配役 備考
1969年 恋する女たち
Women in Love
ティビー・ラプトン
1970年 シャーロック・ホームズの冒険
The Private Life of Sherlock Holmes
ダンスール・ノーベル クレジットなし
1971年 The Music Lovers アントン・チルフスキー伯爵
1971年 The Boy Friend トニー
1976年 シンデレラ
The Slipper and the Rose: The Story of Cinderella
ジョン
1988年 白蛇伝説
The Lair of the White Worm
ジョー・トレント
1989年 レインボウ
The Rainbow
ウィル・ブランウェン 最後の映画出演

受賞歴

1996年にダンスにおける貢献に対して大英帝国勲章コマンダー章を授与された[1]。また、その翌年にはブラッドフォード大学から名誉文学博士号を授与された。

出典

  1. ^ a b c d Christopher Gable”. Northern Ballet. 2021年3月9日閲覧。
  2. ^ Gable biography on the DVD of Orpheus in the Underworld
  3. ^ a b Meisner (1998年10月26日). “Obituary: Christopher Gable”. The Independent. 2018年11月10日閲覧。
  4. ^ a b Oliver (1998年11月3日). “Christopher Gable, 58; International Ballet Star and Film Actor”. Los Angeles Times. 2017年2月13日閲覧。
  5. ^ Orpheus in the Underworld (1983)” (英語). BFI. 2021年3月9日閲覧。
  6. ^ Mulkern. “The Caves of Androzani ★★★★★” (英語). Radio Times. 2021年3月9日閲覧。
  7. ^ Christopher Gable”. Theatricalia. 2021年3月9日閲覧。
  8. ^ Brennan (1998年11月21日). “Christopher Gable” (英語). The Herald Scotland. 2021年3月9日閲覧。
  9. ^ A Woman of Substance: Episode 1 (1984)” (英語). BFI. 2021年3月9日閲覧。
  10. ^ Dunning (1998年11月1日). “Christopher Gable, 58, Dancer Who Made Switch to Acting (Published 1998)”. The New York Times. 2020年10月28日閲覧。

外部リンク


クリストファー・ゲイブル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 12:08 UTC 版)

ノーザン・バレエ団」の記事における「クリストファー・ゲイブル」の解説

1987年第3芸術監督にクリストファー・ゲイブルが就任すると、ノーザン・バレエ・シアターは想像力に富む新作と、古典作品印象的なリバイバル上演評判になった。 ゲイブルが芸術監督就任したのは偶然の産物であった1987年にローレンス・スティーヴン・ラウリーの生誕100周年記念してラウリー生誕地であるサルフォード市議会が、がジリアン・リンにラウリー生涯描いた新作バレエ制作依頼したのがきっかけである。リンはロウリー役のダンサーとして、元ロイヤル・バレエ団スターで既にダンサーから引退していたクリストファー・ゲイブルを実に約20年ぶりにステージ呼び戻すことを決断した。この縁でゲイブルが芸術監督就任することになった。 ゲイブルが芸術監督就任したことで、ノーザン・バレエ・シアターの人気高まった。ゲイブルは、団の名称の「バレエ」と同様にシアター(=演劇)」にも力を入れた古典作品演劇性に重きを置き、『A Simple Man』に続いて白鳥の湖』、『ロミオとジュリエット』、『クリスマス・キャロル』、『The Brontes』、『ドン・キホーテ』、『ドラキュラ』、『ジゼル』、『ノートルダムのせむし男』などの長編バレエ演出手掛けて成功させた。 続いて1993年に準芸術監督として加わったマイケル・ピンクと1998年退任するまで緊密に協力した。ゲイブルが振り付け作品には、『Attractions』(1983年)、『Memoire Imaginaire』(1987年)などがあり、1988年には『The Amazing Adventures of Don Quixote』で初め長編バレエ改訂振付取り組み続いてノートルダムのせむし男』、『白鳥の湖』、『ジゼル』および『ドラキュラ』を振り付けた。 ゲイブルはノーザン・バレエ・シアターの芸術監督11年務めたが、その間1982年ロンドンのアン・スタナードと共同設立したセントラル・スクール・オブ・バレエの芸術監督でもあり続けた1990年にはノーザン・バレエ・シアターを一時的にハリファクスのスプリング・ホールに移転させた。ゲイブルは1998年ガンのため58歳の若さ没したが、世界ダンス・ステージにノーザン・バレエ・シアターの名を知らしめることに大きく貢献した。ノーザン・バレエ・シアターの作品は、ノルウェー国立バレエ団、アトランタ・バレエ団、ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団など他のカンパニーから引き合いを受け、上演されるようになった

※この「クリストファー・ゲイブル」の解説は、「ノーザン・バレエ団」の解説の一部です。
「クリストファー・ゲイブル」を含む「ノーザン・バレエ団」の記事については、「ノーザン・バレエ団」の概要を参照ください。

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