クアラルンプールでのアジア政党国際会議についての日本共産党の主張
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「日中共産党の関係」の記事における「クアラルンプールでのアジア政党国際会議についての日本共産党の主張」の解説
日本共産党委員長の志位は「わが党が、中国に対する見方を決定的に変えざるをえないと判断したのは2016年9月にマレーシア・クアラルンプールで行われたアジア政党国際会議(ICAPP)での体験だった」と述べている。この会議に日本共産党代表団団長として出席した志位によれば、次のような経緯であったという。 日本共産党代表団は総会宣言に過去の総会宣言でも盛り込まれた「核兵器禁止条約の国際交渉のすみやかな開始を呼びかける」という記述を入れる修正案を提案したが、中国共産党代表団が強く反対していたため、日本共産党副委員長で代表団副団長の緒方靖夫は中国共産党代表団に話し合いを申しこんだ。その会談で緒方は「過去2回のICAPP総会で、中国も賛成し、全会一致で賛成しているものだ。何の問題があるのか」と問いただしたが、中国共産党代表団は「過去のことは知らない。こういう文章を入れることは、侵略国の日本がまるで被害国のように宣伝されてしまう」と述べた。緒方は「この修正案には日本の被爆の話も被害の話も一切ないではないか。人類的な大きな国際問題として提起している」と反論したが、中国側は「この問題については議論したくない。われわれは修正案には反対だ。提案は拒否する」と理由も述べずに反対する姿勢を繰り返して会談を終わらせた。 日本共産党代表団は再度の会談を求め、再会見で緒方は改めて「中国は核兵器禁止条約をこれまで主張してきたのに、なぜそれに反する態度をとるのか」と問いただしたが、中国側は答えず「あなたは覇権主義だ。自分たちの意見を押し付けている」と緒方を批判した。緒方は「それは当たらない。議論しているのだ。これが押しつけなら議論ができないではないか」と反論した。また中国側は「何度も俺を呼び出しやがって、無礼だぞ」とった侮蔑的な言葉も投げつけたという。中国共産党代表団の態度について志位は「1998年の両党関係正常化のさいの反省はいったいどこにいったのかと、事態の重大性を深刻にとらえざるをえませんでした。」と述べている。 その後に日本共産党が宣言起草委員会で修正案を提起した時には、中国共産党代表団は異議を唱えなかったので全会一致で採択され、総会最終日の総会宣言案に盛り込まれたが、宣言採択直前になって北京の指示を受けた中国共産党代表団がこの部分の削除を要求したため記述は削除された。日本共産党代表団は宣言起草委員会で全会一致で決まったことを中国共産党の一存だけで一方的に覆す覇権主義的なふるまいとして反発し、「採択直前に突然、宣言の最終案の変更を求めた一代表団のふるまいは、異常かつ横暴きわまるものであり、この一代表団によって、ICAPPの会議の民主的運営に著しく反する事態が引き起こされたことに、強く抗議する」という中国共産党代表団を批判する部分的保留を表明した。
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