キャスティング
概要と歴史
釣りに使う竿(ロッド)とリールを使ってどれだけ正確に投げられるか、どれだけ遠くに投げることかを競う、それがキャスティングというスポーツです。使う道具が釣りで使用する竿なので、実際の魚釣りと重なる部分が多く、競技者のほとんどは「魚釣りがうまくなりたい!」ということがきっかけとなって、この競技を始めています。
キャスティング競技の歴史は古く、1900年代初めから自然発生的にイギリスとアメリカで大会が開催されていたとの記録が残っていますが、1955年に世界的な組織が発足して、現在に至っています。2年に1度の世界選手権の開催、そしてワールドゲームズの正式種目として第1回大会から参加している歴史あるスポーツでもあります。
競技種目と道具
キャスティング競技は大きく2つに分類することができ、1つは正確さを競う「アキュラシー種目」、そしてどれだけ遠くに投げられるかを競う「ディスタンス種目」があり、合計9種目(日本では10種目)を競っています。また、同競技は釣りから生まれたスポーツですが、より競技性を高めるためという意味から、現在大会は陸上で行われています。
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数あるキャスティング競技種目の中で見る人をひきつけ、また最も競技人口が多いのは、フライ種目です。通常、フライフィッシング※で使用する道具を使って投げられる距離は最長でも30m程度ですが、競技では50~60mと倍近い距離を飛ばします。
※フライフィッシング
疑似餌の一種で釣り針に直接動物の毛や羽毛などで装飾を施し、自然の中で魚が捕食している小動物に似た形にしたもの。
参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
もちろん、使う道具も違います。自動車レースでレース専用マシンがあるように、キャスティングにも競技専用の道具があるのです。38gと通常の3倍くらいの重さのラインや、倍以上も太いロッドを使って、滞空時間の長い美しいループが空を切って飛んでいく様は、見るものを圧倒します。そして、競技用の道具を自由に扱えるようになるころには、実際の釣りで使っている道具を、信じられないくらい簡単に扱うことができるようになっているのです。
特徴
「釣りが上手くなりたいからキャスティングの練習を始め、そして競技に出てみようと考える」。日本でも、世界でもまだまだマイナーな競技であるキャスティングを始めるきっかけの多くは、こういうものです。しかし、一度始めてしまうと、その奥の深さに取り込まれてしまいます。そして、いつしか釣りにも行かなくなり_といった悪循環(?)も生まれてくるかもしれません。
実は、「キャスティングが上手くなること=釣りが上手くなる」とは、必ずしも言えません。しかし、道具の扱いがうまくなることで、自分の釣りに余裕が出てくることは確かですし、その余裕こそ釣果にもつながります。そして、なによりもみんなこう思うのです。「キャスティングが上手くなると、釣りが楽しくなる」と。
いかがですか?釣りの上達のため、競技種目として楽しむため、または、楽しい釣りがしたいから。理由はともかく、キャスティングを始めてみませんか?
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