カルロス・ゴーンのレバノン亡命
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「日本とレバノンの関係」の記事における「カルロス・ゴーンのレバノン亡命」の解説
「ルノー・日産・三菱アライアンス」の社長兼最高経営責任者(CEO)を務めていたカルロス・ゴーンは、2018年11月、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、その後解任された。2019年1月、カルロス・ゴーンはさらに特別背任罪で追起訴された。2019年3月5日、東京地方裁判所は保釈を許可する決定をし、検察の準抗告も同日深夜に棄却され、翌6日、保釈保証金(金商法違反事件で2億円、特別背任事件で8億円)の納付後に保釈された。 日本の裁判所はゴーンを保釈する際に、「海外渡航の禁止」という条件を付していた。しかしゴーンはこれに違反し、2019年12月、プライベートジェットを用いてトルコのアタテュルク国際空港を経由し、機材を乗り換えレバノンの首都ベイルートにあるベイルート国際空港に日本時間の2019年12月31日午前6時30分過ぎに到着、亡命した。到着後ゴーンはこの亡命について、「私はレバノンにいる」という内容の声明を発表し、「もはや私は有罪が前提とされ、差別が蔓延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではない」「私は正義から逃げたわけではない。不公正と政治的迫害から逃れたのだ」と述べている。同日夜、東京地方裁判所は保釈を取り消す決定をすると同時に保釈金15億円も没取、これは過去最高額の没取となった。 2020年1月2日、日本政府は、国際刑事警察機構(ICPO)に対し、レバノン政府にゴーンの身柄を拘束するように要請することを求めた。レバノン国営通信社NNAは、「ICPOからの赤手配書をレバノンの検察当局が受領した」という内容の報道を行っている。日本はレバノンと犯罪人引き渡し条約を締結しておらず、同国の了解を得られなければゴーンの身柄が日本へ引き渡されることはない。 2020年1月7日、大久保武駐レバノン特命全権大使はミシェル・アウン・レバノン大統領を会談を実施して、カルロス・ゴーンが不法に出国しレバノンに到着したことは遺憾である旨を伝えている。一方、レバノン側は日本との外交関係を重視し、協力を惜しまないとして外交問題化を避けた。
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