カフェインの分解特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 07:48 UTC 版)
「シュードモナス・プチダ」の記事における「カフェインの分解特性」の解説
2011年に米アイオワ大学で、P. putida CBB5(遺伝子工学的操作をされていない、土壌から発見された野生株)が、炭素源と窒素源が純粋なカフェインのみの培地上で生育し、カフェインを二酸化炭素とアンモニアに分解することが観察された。これまでの研究では、カフェインやテオブロミンのようなプリンアルカロイドの脱メチル化はカビや哺乳類といったより高等の生物の持つ膜関連シトクロムP450により行われることは知られていた。一方で、炭素源や窒素源がプリンアルカロイド化合物のみでも微生物が生育することは以前から多く報告されていたが、微生物におけるこのプリンアルカロイドの脱メチル化酵素は発見されていなかった。 この発見により、微生物がカフェインで生育するための酵素と遺伝子の存在が初めて明らかとなり、カフェイン分解酵素でN-メチル基分解酵素が単離された。単離された可溶性ホロ酵素は、シトクロムc還元活性[ 英: cytochrome c reductase activity:Ccr ]サブユニットおよび、2つのN-脱メチル基酵素活性サブユニット[ 英: N-demethylase component:Ndm ]から構成されている。Ndmは未変性で240kDaであり、2つの構成サブユニットはNdmA(40kDa)とNdmB(35kDa)と呼び分けられている。また、Ndmは、紫外可視吸光スペクトルとN末端配列の解析からRieske [2Fe-2S]ドメイン含有非ヘム鉄オキシゲナーゼであると推定されている。 NdmAとNdmBは、心臓の不整脈や喘息の治療および血流の増幅のための薬の開発、ならびにデカフェコーヒーや茶の製造に利用できる可能性がある。
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